【監督】アブナー・パストール
【出演】サラ・ボルジャー/エドワード・ホッグ/アンドリュー・シンプソン/ジェーン・ブレナン/コーラン・バーン/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 サラは夫をとある事件で亡くしてしまった未亡人。2人の子供ともに生活をしていますが、ある日麻薬密売人のチトーが突然に家に入り込んでくる。
結局のところ「母親は強い」
アブナー・パストール監督は、南アフリカの映画監督で、1999年「Inheritance 」で映画監督デビューをしています。
サラ・ボルジャーは、アイルランドの女優で、1999年「A Love Divided」で映画デビューをしています。テレビや映画で活躍しており、2013年「コクリコ坂から」で英語版の声優として、松崎海役を演じています。
原題は「A Good Woman Is Hard to Find」となっており、いい女を見つけるのは難しいという意味となります。
物語は、とある事件で夫を亡くしてしまった主人公が、2人の子供とともに生活をしているも、麻薬密売人に家に忍び込まれたことにより、徐々に生活が変わっていくストーリーになっています。
序盤から、返り血を浴びた女性がシャワーを浴びるシーンから始まりますが、妙に意味深な演出からの展開となります。
そこから、多分、同じ女性が2人の子供とスーパーで買い物をしているシーンとなり、そこで、子供が店のものを食べてしまい、会計をするが、生活レベル的に貧困な感じが受け取れる演出となっています。さらに、突然、違う人物の物語となり、自動車泥棒ととある荷物の強奪が描かれます。
20分くらいで、点と線が結びつくかのようにストーリーの概要が見えてきます。
母親と2人の子供の慎ましい生活のなかに、麻薬密売人が出てくることで徐々に物語の骨格が見えてくる手法は、なかなか手が込んでいます。
中盤過ぎで大体の筋がわかるようになる構成で、そこまで展開は物語の全容がわからないので、興味惹かれところがあります。
とはいえ、やはり、この母親はなかなかな決断力と実行力があり、その行動原理の根底にあるものは、子供や夫のためでもあるというところになります。
リアリティがあるかと言われれば、充分にリアリティでありますが、この現実感もなかなかツライところはあります。この実行力が終盤に生かされて来るわけですが、結局のところ「母親は強い」としか言いようがない気もします。
97分の作品でもあり、サクッと観られる作品と思えそうですが、実は思った以上に演出が生々しいところがあり、広くおすすめするような作品ではなく、また、ジャケットの写真と本編の展開には一致しないところは多いです。