【日本映画】「町田くんの世界〔2019〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/岩田剛典/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 町田一は、地味な外見で運動も勉強も苦手でありながら、人を愛する才能がずば抜けた高校生。ある日、猪原さんという子に出会ったことで町田くんの中で何かが変わり始める。

破綻しているような物語に見えながらも、実際には破綻する以前に、町田くんの世界であるということを理解した上で見てほしい作品

石井裕也監督は、高校時代から映画監督を志し、大学の卒表制作で、2005年『剥き出しにっぽん』を監督し、高い評価を得る。以降、「川の底からこんにちは」「舟を編む」など高い評価の作品を生み出しています。

細田佳央太は、小学校の頃から俳優を目指し、2014年『もういちど 家族落語』で俳優デビューをし、本作では初主演を務めています。

関水渚は、に憧れて芸能界に入り、2017年「アクエリアス」のCMでデビューし、以降グラビアアイドルとして活躍、本作では映画初出演にしてW主演を務めています。

物語は、不思議な魅力のある町田くんを中心に、初恋のような感情を前に「わからない感情」を持ってしまったことで広がるストーリーです。

序盤は、町田くんの特殊なキャラクター性が描かれ、とにかく人に親切であり、優しく、どうしてそこまでするのかはわからないのですが、こういう人は極稀に存在することがあります。

同級生自体も結構さまざまなキャラクターがおり、物語としては、複雑にも見えがちでもありますが、この脇を固めるキャラクターも必要十分なところになっています。

むしろ、これだけ多くの脇を締めるキャラクターが、いるからこそ、中心にいる町田くんの魅力と前田敦子のキャラクターは意外とキーなところもあり、言動の重さがあります。

町田くんというキャラクターは理解しづらいところはあるかもしれませんが、終盤の「町田くんの世界」という印象を見ればわかる。

この映画と世界観はファンタジーではあり、このファンタジーを受け入れないのであれば、面白さは理解できないことになります。

「この世界は悪意に満ちている」

確かにそうかも知れないところもありながら、町田くんの世界はまた視点は違う。

恋愛ということを下敷きにあるだけでもあり、わからない感情とわからない演出が結実した、わからないファンタジーになります。

そもそもが現実感を放棄しているところは暗示されており、だからこそ、この町田くんというキャラクターには説得力が薄く、それでもなお、この町田くんが中心の物語となってます。

「わからない、けど、ゆっくり行こう」

この要素も仕組まれたことでもあり、もともと、この世界は町田くんの世界なんだというのがこの作品のファンタジーたるところです。

なかなか感想の難しい作品にも思えますが、実際にはシンプルな物語でもあり、そのシンプルさは残り数分に込められている作品でもあります。

破綻しているような物語に見えながらも、実際には破綻する以前に、町田くんの世界であるということを理解した上で見てほしい作品でもあります。

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