【監督】トレイ・エドワード・シュルツ
【出演】ケルヴィン・ハリソン・Jr/テイラー・ラッセル/ルーカス・ヘッジズ/アレクサ・デミー/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 タイラーは裕福な家庭に生まれ育った高校生。妹のエミリーとの四人家族で、レスリング部の主力で、恋人もいるタイラーだったが、とあることを境に徐々に家族の雰囲気が変わっていっていまう。
「それでも人生は進んでいく」そんな印象のある作品であり、終盤10分間の演出は見事
・トレイ・エドワード・シュルツ監督は、アメリカの映画監督で、2015年「Krisha」で商業映画監督デビューをし、2017年「イット・カムズ・アット・ナイト」で評価を得て、その後様々な映画を手掛けています。
・ケルヴィン・ハリソン・Jrは、俳優に興味を持ち、2013年『それでも夜は明ける』の端役で映画デビューをします。その後、2017年『イット・カムズ・アット・ナイト』で評価され、活躍の場を広げています。なお、ピアノやトランペットの奏者や歌手としても才能があります。
・物語は、主人公の高校生は裕福な家庭に育ちレスリング部の主力となり、恋人もいたが、父親の存在が悩みだった。ある日とある事件が起き、徐々に人生の歯車がかわっていく。
・序盤は、主人公 タイラーの陽キャな生活風景が描かれ、ある意味スクールカーストでは上位に位置するような主人公ではあります。
・レスリングの選手ということで、身体能力が高いのはわかりますし、裕福な家庭という点でも、不自由がないのはわかりますが、怪我や恋人に起こることで精神的に追い詰められてしまうのはわかります。
・肩の怪我と彼女の妊娠ということで、主人公に災難が起こり始め、決断をしていくことになります。
・彼女の妊娠については、若いからこそ、子供を産んで育てていくという自信が持てないところとなるのかと思いますが、アメリカでは中絶は日本と異なる考え方もあり、その点が描かれます。
・主人公自体がどんどん堕ちていく展開でもあり、これについてはタイラーの身勝手さが原因となるので、共感しづらい展開です。
・中盤より、中心人物が、タイラーの妹のエミリーとなり、前半とは異なる展開となってきます。
・この構成よりタイラーを含む家族の物語であるというところとなり、前半の堕ちていく内容とは違った一面をみせてきます。
・なお、音楽は、なぜか「トレント・レズナーとアッティカス・ロス」が担当しており、音楽に使い方は良いです。
・前半部分のタイラーのちょっと責任感のない感じがダメな印象ですが、後半の妹のパートで、ある程度は救いが出てきます。
・「それでも人生は進んでいく」そんな印象のある作品であり、終盤10分間の演出は見事だったように思います。