【アニメ】「ジョゼと虎と魚たち〔2020〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【原作】
【出演】/興津和幸/Lynn/松寺千恵美/リリー/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 恒夫は海洋生物学を学ぶ学生。ある日坂道から転げ落ちそうになった車椅子の少女ジョゼを助ける。ジョゼは幼いころから足が悪く、祖母チヅから、ジョゼの相手をするバイトを持ちかけられる。


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実写映画とは異なる展開の作品

・タムラコータロー監督は、『おおかみこどもの雨と雪』助監督や『ノラガミ』シリーズの監督を手掛けており、2020年「ジョゼと虎と魚たち」で長編映画初監督をしています。

・田辺聖子は、恋愛小説などを中心に小説家として活躍しており、第50回芥川龍之介賞をはじめ、様々な文学賞を受けています。また、2008年に文化勲章を受賞しています。

・中川大志は、小学生の頃にスカウトされ、子役デビューをしています。2010年「半次郎」で映画デビューをし、その後、2011年テレビドラマ「家政婦のミタ」で注目され、以降、テレビ・映画・CMと幅広い活躍をしています。

・清原果耶は、小学生の頃からクラシックバレエをなり、2014年に好奇心で受けたオーディションでグランプリを獲得し、モデルデビューをしています。「nicola」の専属モデル説いて活躍後、2015年NHK連続テレビ小説『あさが来た』で女優デビューをし、2017年『3月のライオン』で映画にも初出演しています。歌手としても活動をしており、多彩なジャンルで活躍する女優です。

・田辺聖子の原作は、約30ページほどの短編作品で、実写映画版は、内容が追加されています。

・2003年に監督により実写映画化されています。

・挿入歌と主題歌は、EVEの「蒼のワルツ」「心海」となっています。

・物語は、歩くことができない少女ジョゼと大学生の恒夫との関係を描いたラブストーリーです。

・大阪を舞台に描かれており、主人公恒夫の通う大学は、大阪大学大学院生命機能研究科(吹田キャンパス)を参考にされているようです。

・題名の「ジョゼと虎と魚たち」は、色々と取り方があり、あまり明確ではないのですが、ジョゼが叶えたい夢のこととジョゼを取り巻く環境のことを指しているようです。

・ジョゼの名前の由来は、愛読書フランソワーズ・サガンの登場人物の名前からとられています。

・絵柄的にはアニメとしては普通なところではあり、作画はしっかりとできています。

・特に背景の書き込み等は細かい描写がありますが、アニメーションの手法として、どこまでリアルに描くかという点は、毎回悩ましいところはあります。

・そもそも、アニメーションに求めている点はリアルさという点よりも、実写でできないことがアニメではできるというところでもあるかと思います。

・想像的なシーンが出てくるというところでは、本作は、しっかりとアニメである理由があります。

・ジョゼ自体は、大阪弁で非常に生意気な喋り方をするのですが、性格が多少歪んでしまっているのはよくわかります。

・とはいえ、アニメーションと言う点では、どこかキレイな描き方がされており、車椅子自体も部屋の雰囲気も服装も、どこか生活感は薄い気はします。

・これは、本作は、そういう方向性の作品ではなく、恒夫とジョゼの関係のみをフォーカスしているとも言えます。

・足の悪いジョゼ自体は、疎外感をどこかに抱きながら生きてきているところもあり、演出としてシーンにより、ジョゼの視線の低いところでのアングルが使われています。

・通常の人物の視点と車椅子の視点では見えている世界はそれぞれ違うようにも思います。

・「ばあちゃん、そとは怖いだけやないで」

・実写映画とはストーリー展開は異なります。セリフで説明することもあり、演出としてはわかりやすくできているため、そのあたりも実写版とは異なります。

・ジョゼ自体が自ら変わろうとしていくところは、本作ならではのところであり、朗読のシーンでは、その意識が自分のみならず、他人に向いているところもあります。

・原作自体を読んでいないのですが、本作は、恒夫とジョゼの恋愛ものがたりであり、実写映画とは異なる展開の作品ではあるので、好みは別れてしまうのかもしれません。

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