作品紹介
【監督】アーヴィン・カーシュナー
【出演】マーク・ハミル/ハリソン・フォード/キャリー・フィッシャー/アンソニー・ダニエルズ/ビリー・ディー・ウィリアムズ/
【個人的評価】★★★★★
【あらすじ】遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。ヤヴィンの戦いから3年後、デススターを失った銀河帝国軍は、攻撃を強め熾烈な戦いを行なっていた。氷の惑星ホスに拠点を移した反乱同盟軍はそこでも銀河帝国軍の追跡され、攻撃を受けることになる。
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この作品があるからこそ、スターウォーズが世界的に支持を得たとも思える作品
監督のアーヴィン・カーシュナーは、前作のジョージルーカスに指名され、本作の監督となっています。以降、「007 ネバーセイ・ネバーアゲイン」「ロボコップ2」の監督をしています。
監督に指名された理由は、「あなたはハリウッドのディレクターが身につけておくべき知識をすべて身につけつつも、ハリウッドの人じゃないから」ということで、ハリウッド大作に新しい風を招きたかったのかと思われます。
主演のマークハミルは、撮影前に交通事故に遭い、顔に傷を負ってしまったため急遽序盤で怪我をするシークエンスを追加しています。
1980年公開時の国際版ポスターのイラストは、日本人の生頼範義が手がけています。
個人的にはスターウォーズシリーズで最も好きな作品で、三部作の二作目という、完結してはならないし、盛り上げなくてはならず、次回作の期待を高めるという難易度の高い構成を見事に描き切っているという点が好きなところです。
序盤の偵察では、追加された地味なシーンにも関わらず、冒険譚としての面白みを失わず、ワンパに捕らえられたシーンでのフォースの使用は、ルークの今後の成長を描いており内容に厚みが出ています。
ライトセーバーを引き寄せるシーンは逆再生を駆使しただけという単純ながら効果的な演出も見事です。
惑星ホスの戦闘もAT-ATを主とした地上戦と上空からの侵攻と言った絶望感があり、決して派手な武器を使用せずとも戦うところもよくできていて、モーションキャプチャによるAT-ATの動きもミニチュアとは思えないほど良くできています。
ハンソロとレイア姫の脱出も非常に見応えがあり、ピンチの描き方が素晴らしいです。
特にファルコン号から出てくる機銃の演出は、個人的にとても気に入っています。
中盤は物語が2筋に分かれ、ハンソロとルークの別行動が地味ながらもお互いのキャラクターの魅力が伝わりダレ場を感じにくくさせています。
惑星ダゴバでのルークの修行についても、ヨーダというジェダイマスターの意外性や前作では大きく語られなかったジェダイの歴史や凄さがわかり、世界観の説明が見事です。
ジェダイとして乗り越えなければならない修行もエキセントリックな演出で暗示も込めた見せ方となっており、この部分のハリウッド王道映画とは一捻りしているところは魅力です。
ハンソロ側では、レイア姫との関係を丁寧に描いているところがあり、終盤の盛り上げになくてはならないシーンの積み重ねが見事です。
無茶を承知で隕石群に飛び込んだり、追っ手から逃れるための機転の良さには、ハンソロの大胆さと繊細さの2面性が描かれ、主人公よりも人気が出てしまうところはとてもよくわかります。
航行中にハイパードライブを直すところもミレニアムファルコンの底知れぬ機能が完全ではないところも見応えがあり、不完全のガラクタだからこそこの機体のファンも多いのがうなずけます。
そしてハンソロの不誠実そうな言動も後々の布石となっており、見事なラブロマンスの描き方となっています。こう言った「戦っているだけに始終しない」ところのストーリー展開が帝国の逆襲が支持されているところでもあります。
敵にも個性的なキャラクターが登場しており、賞金稼ぎのボバフェットは、詳細な設定で作り上げられているキャラクターで、後々のスターウォーズシリーズで活躍しています。
しかし、それだけのキャラクターでありながら、作品上では出番は要所要所に限られており、主役を喰うほどの扱いではなかったところが逆に人気となったところかもしれません。
終盤のクラウドシティでの盛り上げ方も素晴らしく、まさしく帝国の逆襲の山場になっています。
有名なセリフ「I Love You」「I Know」もそのシーンだけが重要ではなく、それまでの経緯と、直前にチューバッカにハンソロが言った言葉があるからこのすべてここに集約できる凄さがあります。
なお、当初はこの台詞は「I Love You」「I Love You, too」だったのですが、アドリブで言ったことが本編に採用されたことになっています。さすがです。
なお、カーボン凍結については色々間違いや違いがあり、「着ているシャツが凍結前後と次作で違う」「両手を拘束されていたのにカーボン状態では両手が離れている」というような小ネタがあります。
本作の最終決戦では、ルークとダースベイダーの対決となっています。
前作では直接対決することはほとんどなかったので、今回の対決には宿命の対決なようになっています。
何故ダースベイダーがルークを捉えようとしたのかも含め、衝撃の事実が語られます。
当時の撮影時にもネタバレを防ぐためにダースベイダーのセリフをアフレコしており、撮影時には全く異なることを喋っています。そのため、衝撃の事実について公開前にバレてしまうことなくクライマックスの盛り上げに成功しています。
何より、最終的にルークが生還した後の締めくくりが本作の完璧さを感じられるところで、仲間が追い詰められ、絶望的な状況に陥り、さらにルークの運命も明かされてしまったところもあり、激動な状況ながらも、残された希望に悲壮感を感じることなく、さらに、続く次作への期待が高まる演出がされているところが、続編ものとしてこれ以上がないほどの終わり方になります。
個人的な思い入れもありますが、スターウォーズの世界観を深めながら、いつまでも観ていたいような作品となっています。
この作品があるからこそ、スターウォーズが世界的に支持を得たとも思える作品であるかと思います。
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家族をめぐる壮大は悲劇のはじまりですね。
傑作でした。
(=^・^=)
はい。
家族をめぐるというのは、この作品ではまだ断片的ではありますが、各々のキャラクターの深堀りと、世界観の描き方が丁寧だったのが名作だと思います。