【監督】S・S・ラージャマウリ
【出演】プラバース/ラーナー・ダッグバーティ/アヌシュカ・シェッティ
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 シヴドゥは赤子の時に多数の兵士に追われ、その中から生き残った運命の子。青年となり、たくましく成長したシヴドゥは村から見える滝を上り詰め、そこで女性戦士「アヴァンティカ」と出会い天命を知る。
映像と音楽が相乗的に効果を発揮した良い作品
・S・S・ラージャマウリ監督は、「マッキー」等の作品を手がけるインド映画の監督。
・特に時代設定が古代インドと言われるくらいで、明確な時代がわからない。
・剣闘のシーンが多いことで、だいたいの時代は予測ができますが、あくまで、ファンタジーな印象。
・ツッコミどころや、突然のダンスなど、ごった煮的な演出ではありますが、このあたりの豪快さがインド的。
・本作に継いで続編に「バーフバリ 王の凱旋」があり、2作で完結となります。
・壮大なスケール感も本作の魅力であり、エキストラの数や多くのモブが出てくるところも豪華という言葉がふさわしくもあります。
・CGを多用した特殊効果は、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』でアカデミー賞視覚効果賞を受賞したリズム&ヒューズ・スタジオやILMがあり、世界5カ国16社から600人を超えるスタッフが参加したそうです
・主人公 シヴドゥは、ギャグとシリアスの紙一重な風貌があり、ここにこの無理な演出を正当化できる魅力があるように思えます。
・ですが、物語が進むにつれて世界観に没頭できるようになります。それは、シブドゥがヒーローであることに基づいており、この実直かつ、知能も伴うヒーロー像にカタルシスを感じるのです、
・オープニングのシヴァガミが滝の下流からシブドゥを抱えあげるシーンは圧巻。このシーンの演出に壮大さを感じずにはいられないです。
・その後、シヴドゥの成長期として描かれますが、そこで出てくる「バーフバリ」の言葉。この名前がマヒシュマティ王国の過去の王であったことがわかり、中盤以降は、その「バーフバリ」の物語と変わります。
・親子3世代に渡る、マヒシュマティ王国の物語とはなりますが、回想として時間が前後するので、ちょっと注意が必要です。それは、バーフバリとシヴドゥが同じ役者が演じているので、ここに注意が必要になるのです。
・詳しくは人物相関図を見ると整理ができるかと思います。
・重要人物としては、やはり「シヴァガミ」となり、本作を最後まで観ても、なぜオープニングのシヴァガミの誓いとなったのかは解明されません。
・このシヴァガミの人物像は、続編の「王の凱旋」で描かれます。
・終盤の蛮族との戦いも圧巻であり、ロード・オブ・ザ・リングを彷彿ともさせます。
・ロード・オブ・ザ・リングには絶望感のある戦いが多かったので、素晴らしい演出がありましたが、本作は、アマレンドラ・バーフバリの圧倒的なヒーロー像があり、王道的な物語となっています。
・ラストシーンでは、その後のアマレンドラ・バーフバリの生涯をさらっと説明し、「王の凱旋」への布石としますが、その説明も、興味を抱かせる手法で、素晴らしいです。
・バーフバリの鑑賞方法は難しいところですが、「伝説誕生」→「王の凱旋」と観てください。各々「完全版」がありますが、伝説誕生と王の凱旋を合わせて「バーフバリ」と考えてください。
・王の凱旋の鑑賞だけでも良いと書かれている紹介もありますが、やはり全編通して観ることが絶対かと思います。
・あと、音楽に触れていないのですが、駄目というわけではなく、この音楽なければバーフバリは成立しません。とは言いつつも劇伴であるからこそとも思え、映像と音楽が相乗的に効果を発揮した良い作品だと思います。
・まずは、毛嫌いせずに見てもらえれば、この世界観の魅力に取り憑かれると思います。
バーフバリ ~王の凱旋~ (バーズコミックス スペシャル) |