【日本映画】「パンク侍、斬られて候〔2018〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【脚本】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】時代は江戸。主人公は 剣客でありながらも、浪人の掛十之進。新興宗教団体「腹ふり党」の討伐をめぐり、様々な人の画策がうごめく。

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

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破綻するギリギリと言う要素を、惜しみなくつぎ込んだ作品

原作は、芥川賞作家・町田康が2004年に発表した異色時代小説。

脚本は「池袋ウエストゲートパーク」「GO」「あまちゃん」の宮藤官九郎。

石井岳龍監督は、昔は、石井聰互という名前でしたが、2010年1月を機に改名、現在は石井岳龍として、2019年までに5作の映画を制作しています。

時代劇という体裁ですが、やはり脚本と原作の影響でもあり、軽快な語り口の作品となっています。

要所要所破綻している要素が垣間見られ、どうなってしまうのだろうと思えるところがありますが、これもこれで、「パンク侍」というところなのでしょう。

多くの有名役者が出演しており、押さえるべきところは押さえられているのですが、どうも大味なところがあり、ここまで配役を豪華にしなくても良かったのではと思います。

人によってはちょっと苦行になってしまうような物語の展開で、面白いかと言われると、回答にこまるのが本作の魅力です。

言っている意味がわからないのかもしれませんが、本作は、役者を観ることと破綻した物語を観ることがこの作品の見方なのでしょう。

特に、猿将軍を演じる「永瀬正敏」には、ものすごくモヤモヤしますが、6周くらい回ってアリと思える心構えがなければ、本作を楽しめる要素は1/6くらいに減ってしまうと思います。

染谷将太のバカ侍役も、ちょっとツボです。

結局本作が言いたかったことも、妙に伝わらないようで、しっかりと伝えられている作りとなっており、原作の不可解な世界観を映像化した落とし所なのでしょう。

まさに石井岳龍美学が織りなす映画と言って、過言ではないでしょう。

ポスターや予告編の要素の斜め上を表現した映画ではありますので、気軽にエンターテイメントを求めて鑑賞するのであれば、他の映画を鑑賞したほうが精神衛生上、良いとおもいます。

破綻するギリギリと言う要素を、惜しみなくつぎ込んだ作品ですので、そこを理解した上で鑑賞すると良いと思います。

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