【日本映画】「美しい星〔2017〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【原作】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】気象予報士の主人公大杉重一郎は、とある光を見て、火星人であると錯覚し、その使命に目覚める。大杉家全員が木星人や火星人であると目覚め、各々の方法で世界を救おうとする。

登場人物たちの異常さと、一般人の乖離が見事で面白い作品

吉田大八監督は、CM制作会社でテレビCMを数多く手掛けたあと、プロモーションビデオ等映像分野の幅を広げ、2007年「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で長編 映画監督デビューをしています。2013年「桐島、部活やめるってよ」では、数多くの 映画賞で称賛され、第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞、最優秀作品賞を始め各賞を受賞しています。

リリー・フランキーは、イラストやデザインなどの作家活動のみならず、文筆、俳優など様々なジャンルで活動し、2006年「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」では、映画化もされ、作家としての才能も発揮しながらも、俳優としても、数々の賞を受賞し、多彩な才能を発揮しています。芸名自体は、「薔薇と百合(ローズ&リリー)みたい」という学生時代の名付けから、ボーイ・ジョージのファンと言うことから、男性でも女性でもなく、国籍もわからないような理由も込めて、リリー・フランキーとしているそうです。

原作は三島由紀夫の異色SF作品ですが、原作とは異なる設定が多い。

リリーフランキーの怪演が見事で、普段のキャラクターと相まってとても違和感なく鑑賞できた。

天気予報の最中に急に目覚めて異様な言動を起こし最後にポーズを決める。

この違和感がとてもハマっていた。

何度かその言動が繰り返されるけど、もっと見たいという衝動にかられる。

見ている側も洗脳されてしまうかのような見せ方はとてもよい。

監督は「霧島、部活辞めるってよ」「紙の月」の吉田大八。

「霧島、部活辞めるってよ」以降の作品のキレが良くなった気がする。

展開に予想がつかない分、ダレる事もなく観ることができた。

エンディングにはモヤモヤ感はありますが、もともと解釈を観客に委ねる手法であり、観る人によって感想がすごく変わる作品だと思う。

宇宙人と直接関わり合いがないにしても、未知な存在の宇宙人を感じさせる興味深い作品。

オカルトや超常現象という直接的なSFではなく、登場人物たちの異常さと、一般人の乖離が見事で面白い作品だった。

作品に影響を受けても、リリーフランキーのポーズは人前でやってはいけない。

美しい星

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