【日本映画】「夏の砂の上(2025)」★★★★☆

作品紹介

【監督】玉田真也
【出演】オダギリジョー/髙石あかり/松たか子/森山直太朗/高橋文哉/篠原ゆき子/満島ひかり/

【あらすじ】舞台は夏の長崎。主人公 小浦治は、幼い息子を亡くして以来、妻とは別居をしている男。ある日、治のもとに妹が17歳の娘 優子を連れてやってくる。

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「人は誰かと関わることで、もう一度前を向くことができるのか」というところがテーマ

玉田真也監督は、玉田企画主宰し、作・演出を手掛けています。2020年のテレビドラマ「JOKER × FACE」で第8回市川森一脚本賞受賞を受賞しています。

オダギリジョーは、2000年『仮面ライダークウガ』のオーディションで選ばれ、テレビデビューをしています。その後、2003年「アカルイミライ」で 映画主演を果たし、カンヌ映画祭にも出品されています。『血と骨』『オペレッタ狸御殿』『メゾン・ド・ヒミコ』など多数の作品に出演し、評価されています。

髙石あかりは、2014年『キラットエンタメチャレンジコンテスト2014』でナルミヤオンライン賞を受賞し芸能界に入っています。α‐X’s(アクロス)のメンバーとして活動後、2018年に卒業し、女優として活動しています。2017年「島々清しゃ」で映画デビューをし、2021年「ベイビーわるきゅーれ」で主演を演じています。

本作は、オダギリジョーが主演とプロデューサーをしています。

原作は、松田正隆による戯曲を映画化しています。

玉田真也監督作品となり、脚本も手掛けています。

物語は、息子を亡くしたことで妻とも別居をしている主人公が、ある日主人公の娘とともにやってきた17歳の娘とともに暮らし始めるなか、それぞれが希望を見出していくストーリーです。

序盤から、土砂降りの雨が降る長崎が描かれ、夏の季節の中、息子を失ったことで喪失感を抱いたまま生活をしている小浦治が描かれます。

オダギリジョーと松たか子の夫婦、妹家族の満島ひかりと娘の高石あかりという配役的にキャスティング的にはすでにお腹いっぱいです。

物語の舞台となるのは、雨が降らず、暑さと乾燥に包まれた夏の長崎で、「乾いた夏」という舞台設定が、この映画ではかなり重要な意味を持っているようなところがあります。

主人公の治は、息子を亡くしたことで人生そのものが止まってしまったような人物で、仕事を失っても積極的に何かを始めようとはせず、妻とも離れて暮らしています。

そんなところに突然やってくるのが、17歳の姪・優子で、この二人の関係が、この映画の中心になっています。

人生の入口にいるはずの17歳と、人生の途中で立ち止まってしまった大人、一見するとまったく違う二人なのですが、どこか似たものを抱えているようにも見えます。その距離感を、オダギリジョーと髙石あかりが非常に自然に演じています。

この二人が一緒に生活することで、何か劇的な出来事が次々に起こるわけではなく、むしろ、何気ない会話や日常の出来事を積み重ねながら、少しずつ相手の存在を意識していく「大きく動かない物語」が、本作の大きなポイントです。

登場人物がすべてを説明してくれるわけではないので、「この人は今どういう気持ちなんだろう」と行間を読むような作品になっています。

大きな事件が連続して起こるタイプの作品ではないため、派手な展開を期待すると少し物足りないかんじもあり、また、登場人物の背景や心情について、すべてを丁寧に説明する作品でもありません。

人生に行き詰まってしまった治と、まだ若いながらもすでに何かを諦めかけている優子という二人を並べたことで、「人は誰かと関わることで、もう一度前を向くことができるのか」というところがテーマとなっています。

予告編

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