作品紹介
【監督】作道雄
【出演】坂東龍汰/西野七瀬/円井わん/小久保寿人/森優作/秋本奈緒美/津田寛治/岡田義徳/風間杜夫/南果歩/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 森下昴は、結婚間近の恋人 美紀を事故で亡くしてしまい、悲嘆の状態にある人に寄り添う「グリーフケア」により自らと向き合っていく。

言葉にならないような気持ちが生まれていくようなそんな作品
作道雄監督は、学生時代に「劇団月面クロワッサン」を旗揚げし、脚本と演出を務めています。2018年『神さまの轍-CHECKPOINT OF THE LIFE-』で商業映画監督デビューをし、以降、脚本などをテレビドラマ等でも執筆したりと活躍している監督です。
坂東龍汰は、2018年「EVEN〜君に贈る歌〜」で映画デビューをし、2022年『フタリノセカイ』で映画初主演をしており、第32回日本映画批評家大賞で新人男優賞を受賞しています。
物語は、結婚間近の恋人を事故で亡くした主人公が、「グリーフケア」を通じて自分自身を見つめ直し、立ち直っていくストーリーです。
序盤から、ラジオ収録中の現場にいる昴が描かれ、美紀と同棲をしながら過ごしている中で、突如、美紀が事故死してしまう不幸に見舞われます。
本作は、一条真也『愛する人を亡くした人へ』が原作となっており、脚本は、作道雄監督が自ら執筆しています。
演出自体が独特であり、細かいことの説明はあまり語られません。状況から大体のことがわかるのと、主人公 昴の視点でほとんどが語られるので、しっかり観ていけばおおよそ理解はできます。
「グリーフケア」ということがあり、これは、死別などで大切な人を亡くしてしまったことによる悲しみに、寄り添い、立ち直らせて行く活動のことでもあります。
誰しもが必ず遭遇してしまうであろう深い悲しみに対して、自己を喪失してしまいそうになる心を癒やしているところになります。
昴の母も同様に昔、夫をなくしており、久しぶりに会った母は英気を取り戻していることがあり、昴自身もどこかで立ち直れると思い、過ごしていきます。
「呼んだって来てくんない人もいるんですよ」
美紀は何も言わずに現れる幽霊のような存在で登場しますが、何を語ることもなくただ存在するのですが、この演出から本作は、ある程度のファンタジーな印象もあります。
演出が淡々としているので、ながらで鑑賞をするのはおすすめしません。
ゆっくりとした演出ではありますが、最後まで観たときに、どこか「キュッと」くる言葉にならないような気持ちが生まれていくようなそんな作品です。
予告編
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