【監督】ウェス・アンダーソン
【出演】スカーレット・ヨハンソン/トム・ハンクス/マーゴット・ロビー/ジェフリー・ライト/ブライアン・クランストン/ティルダ・スウィントン/エイドリアン・ブロディ/ビル・マーレイ/ルパート・フレンド/ジェイソン・シュワルツマン/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】舞台は、1955年のアメリカ南西部の砂漠の街アステロイド・シティ。隕石が落ちたクレータが観光名所となっており、そこに様々な人が訪れる。ある日、突如宇宙人が現れ、大混乱となる。
結局何が言いたいのかがよくわからない作品ですが
ウェス・アンダーソン監督は、1992年「Bottle Rocket」で短編映画を制作し、1996年「アンソニーのハッピー・モーテル」で長編映画監督デビューをしています。1998年「天才マックスの世界」2001年「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」で高い評価を得て、アカデミー脚本賞にもノミネートされています。独特な群像劇スタイルの作品が多く、「ダージリン急行」「ムーンライズ・キングダム」「グランド・ブダペスト・ホテル」など、高い評価の作品が多数ある監督です。
スカーレット・ヨハンソンは、舞台女優として活躍後、1994年『ノース 小さな旅人』で映画デビューをしています。1996年『のら猫の日記』2001年『ゴーストワールド』と出演し、2003年「ロスト・イン・トランスレーション」で高い評価を得ています。数々の映画賞でノミネートされていますが、実際に受賞までにはならない場合も多く、ちょっと正しく評価されていない感じもしますが、まだまだ可能性のある女優です。
トム・ハンクスは、1980年『血ぬられた花嫁』で映画デビューをし、全米長寿バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』などでも活躍するコメディアン的側面を持ちながらも、『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ/一期一会』などでアカデミー主演男優賞を受賞しており、名実ともに兼ね備えた俳優です。
マーゴット・ロビーは、米国のTVドラマ『PAN AM/パンナム』で話題となり、その後、2013年の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でブレイクをして以降、「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役でも人気となっています。
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品
物語は、1955年のアステロイド・シティという街が舞台。そこで、5人の天才科学者が集められるが、そこに宇宙人がやってくるというストーリーです。
序盤から、アステロイド・シティの説明があり、その街へ観光客が訪れてきます。架空の街でもあり、時代も1955年ということから、古き良きアメリカ感がありますが、アメリカ生まれのウェス・アンダーソン監督としては、アメリカンな感じの映画は意外と少なく、本作でも、アメリカの片田舎ではありますが、どこかアメリカとは違いなんとなくヨーロッパな感じがします。
ウェス・アンダーソン監督映画は総じて演劇的なところがあり、物語性というよりも、群像劇からなる人間模様を断片的に描いているところで、ウェス・アンダーソン監督作品を過去に一度も観たことがない人には、ちょっと理解が難しいかもしれません。
ウェス・アンダーソン監督映画に慣れている人でも、やはり作品ごとのアプローチが異なるところもあり、予備知識なしに観るのも辛いのですが、予備知識があっても、世界観にハマれるのかはまたちょっと違うところです。
映像はとにかくおしゃれで計算された画角や構図が目白押しなので、物語を追わずに、映像を観るだけで楽しむのでよいのかもしれません。
内容がイマイチわかりにくいところも、ウェス・アンダーソンらしいところで、本作は、劇中劇を模した説明が最初に行われますが、それがまた複雑さを増しているのかもしれません。
人口87人しかいない街ではありますが、風景や町並みはいかにも作り物のようなハリボテ感があり、これもあえてこのようなデザインとして、劇中劇感にしているように思えます。
本作のキモでもある宇宙人ですが、これは、コントとして描かれており、序盤からハリボテ感のある演出が効果を出しているところになります。
結局何が言いたいのかがよくわからない作品ですが、これもまたウェス・アンダーソン監督作品でもあり、この作風は、単純に物語性を求めている人には受け入れにくいのかもしれません。
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