作品紹介
【監督】庵野秀明
【原作】石ノ森章太郎
【出演】池松壮亮/浜辺美波/柄本佑/西野七瀬/塚本晋也/手塚とおる/松尾スズキ/森山未來/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 本郷猛は、仮面ライダーとなり、秘密結社SHOCKERと戦う。
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「私は用意周到なの」
庵野秀明総監督は、幼い頃よりアニメや特撮に興味を持ち高校生では美術部長を務め圧倒的な画力があったそうです。大阪芸術大学映像計画学科でアニメの世界に触れ、自主制作映画を作っています。そのスタッフは後にガイナックスの主要メンバーとなっています。様々な劇場アニメの作画に携わり、『風の谷のナウシカ』の巨神兵のシーンの担当をしています。1988年『トップをねらえ!』で商業映画初監督をし、1997年には「新世紀エヴァンゲリオン」で社会現象にもなる作品を作り出しています。実写作品も制作しており、非常にこだわりの高い監督です。
池松壮亮は、「ラストサムライ」での出演から、子役として活躍し、現在では多数の作品で印象的な演技で定評のある役者です。
浜辺美波は、東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞、その後多数の映画に出演し、『君の膵臓をたべたい』で話題となりました。
柄本佑は、父親が柄本明でもあり、高校在学中に応募したオーディションに合格し、俳優活動を開始します。2003年「美しい夏キリシマ」で映画初出演にして初主演となり、数々の作品に出演しています。2018年『きみの鳥はうたえる』が評価され、第92回キネマ旬報ベスト・テンと第73回毎日映画コンクールで主演男優賞を受賞しています。
仮面ライダー生誕50周年企画作品
キャッチコピー「変わるモノ。変わらないモノ。そして、変えたくないモノ。」
物語は、主人公が、仮面ライダーとなり、秘密結社SHOCKERと戦っていくストーリーです。
と書いたものの、あらすじが一切明かされてなく、過去の仮面ライダーシリーズの中で、初代仮面ライダーを描いている以外は、本当によくわかりません。
序盤から、トラック2台に追われるバイクのアクションシーンから始まります。
そこで、追われていたのが、緑川ルリ子となり、追い詰められますが、そこで本郷猛の仮面ライダーが現れます。
テレビの仮面ライダーと異なり、戦いの演出では、昭和時代の初期仮面ライダーのような描き方に、血生ぐさのある泥臭いアクションとなります。
この演出は、エヴァンゲリオンの監督でもある庵野秀明の演出でもあります。
妙にカメラ目線でのセリフを喋るのが多いのですが、演出的に抑えた台詞回しをしながら、感情をとことん抜いているように思います。
感情を出さない演出なので、演技的には棒読み感も感じますが、むしろ、感情を抜いた演出をしているところに改造人間の悲しみもあるとは思います。
ハチオーグの演出は面白いです。
「私は用意周到なの」
ルリ子のメッセージは演出的に、ズルいなぁと思うのですが、ルリ子の感情が唯一わかるところかと思います。
とはいえ、この作品は感情がほとんど乾いている感があり、人を選ぶ演出なんだろうなぁと思います。
なお、何度も「私は用意周到なの」という点では、半分ギャグなのとも言えます。
「つるむのは嫌いだが、好きになることにした」
ここからのテーマ曲はなかなかアガります。
仮面ライダー1号と2号は、もともと、初代仮面ライダーの登場人物であり、本作は、数多くの仮面ライダーシリーズがある中での、初代二フォーカスした内容でもあります。
初代仮面ライダーが1971年放送というところもあり、50歳以上の人には理解してもらいやすいですが、それ以外の層にはピンと来ないような気もします。
終盤の蝶オーグとの対決は、いろいろとモヤモヤしますが、初代仮面ライダーもこんな感じだったのかと思います。
独り言が多い演出であり、いちいち描写を説明しているようにしか見えないのですが、これも、感情を抑えた演出による所以かと思います
エンドロールはTV版のテーマ曲が流れるので、当時のTVを知っている人には理解されるのかと思いますが、本作の鑑賞対象は1960年代生まれの人なのかと思います。
そういう意味では、庵野秀明監督と同世代の人が満足できるのであろう作品とも言えます。
予告編
フィグゼロ シン 仮面ライダー 1/6 仮面ライダー第2号[シン 仮面ライダー] 1/6スケール ABS&PVC&POM製 塗装…