【監督】三木孝浩
【出演】二宮和也/満島ひかり/市川実日子/小手伸也/奈緒/京本大我/山内健司/濱家隆一/野間口徹/利重剛/景井ひな/武田鉄矢/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 春日井健は、親の遺産で暮らしている無職の男性。結婚はしているものの、無職でゲーム三昧ということから、不穏な空気が流れる中、自宅の庭に迷い込んだロボットのTANGと出会う。
妙なジュブナイル感が全体に漂うところ
・三木孝浩監督は、PVやCMの制作を行い、2010年『ソラニン』で、長編初監督作品としてデビューをしています。廣木隆一、新城毅彦とともに「胸キュン映画三巨匠」とも呼ばれています。
・二宮和也は、嵐のメンバーとして活躍しながら、2003年「青の炎」で映画単独主演をしており、蜷川幸雄監督に評価され、その後、役者として数々の作品で巧みな演技を見せています。2006年には『硫黄島からの手紙』に出演し、クリント・イーストウッドからも「類まれなる才能」と評されています。
・満島ひかりは、1997年に7人組ユニット「Folder」に参加してデビューしています。その後、「Folder5」に改称していますが、継続して所属をしています。「Folder5」の活動休止後、「満島ひかり」名義で活動を開始しています。2009年「愛のむきだし」で高い評価を得ており、その後、「川の底からこんにちは」「モテキ」「それでも、生きてゆく」をはじめとして、多くの作品で巧みな演技力で評価されている女優です。
・物語は、近未来の世界で、主人公夫婦が裏庭に迷い込んだロボットを発端に描かれるストーリーです。
・序盤からARを使ったFPSのゲームらしくものをやっている主人公が描かれます。
・ドローンやロボットなどかなり技術の進んだ世界観がサクッとわかりやすくなっています。
・自宅の裏庭に迷い込んできたロボットに出会うことで物語が進み始めます。
・健を演じる二宮和也は良く言えば若い風貌というところもありますが、結婚した男性には見えず、モラトリアムな学生的な印象があります。
・満島ひかりと二宮和也はどちらも演技力の高い俳優ですが、作品の題材からなのか、その良さはあまり感じられないところはあります。
・健のモラトリアム感はちょっと感情移入し難いところがあり、無職で自由気ままなところと学生感のある風貌とファッションで、どうも違和感を感じながら物語が進んでいくところと、ロボットと行動をしていくところに、妙なジュブナイル感が全体に漂うところがあります。
・そのジュブナイル感のまま物語が進んでいき、画面の彩度の高い映像とCGで、映画的深さというよりも、ファミリー的な娯楽映画感のみで構成されているところにもなります。
・中盤で中国 深センに行きますが、そこで登場するロボット歴史学者 大槻凛は奈緒が演じており、健とTANGとの行動に華が添えられる感があり、良い感じです。
・満島ひかり演じる日本にいる妻も並行して描かれますが、どうも物語の本筋がつかみにくく実はいなくても成立するんじゃないか?とも思えます。これも、健のモラトリアムジュブナイル感に問題があるんじゃないかと思います。
・決して悪い作品でもなく、TV的なところよりも、邦画あるある的な一定期間で似たような作品が作られている雰囲気があり、それが本作の役どころなのかと思います。
・ワーナー・ブラザース映画配給の映画ではありますが、1980〜90年代の東宝あるある映画感があり、その作品系列が好きな人には満足できる作品なのかと思います。