【監督】レイナルド・マーカス・グリーン
【出演】ウィル・スミス/アーンジャニュー・エリス/サナイヤ・シドニー/デミ・シングルトン/トニー・ゴールドウィン/ジョン・バーンサル/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 リチャード・ウィリアムズは、テニスプレイヤーが4億ドルの賞金を獲得していることから、子供をテニスプレイヤーにしようとします。テニス経験がまったくないながら、独学で勉強をし、2人の娘をプロテニスプレイヤーに育て上げていく。
なんとなく、敢闘賞的な感じ
・レイナルド・マーカス・グリーン監督は、2018年「Monsters and Men」で長編映画監督デビューをし、2018年度サンダンス映画祭で、審査員特別賞初作品賞を受賞しています。2020年「Joe Bell」でも様々な賞を受賞し、今後が期待できる監督です。
・ウィル・スミスは、1987年にアルバム『Rock The House』でラッパーとしてデビュー、1988年に「Parents Just Don’t Understand」でグラミー賞最優秀パフォーマンス賞を受賞しています。その後、1992年「ハートブレイク・タウン」で映画デビューをし、「バッドボーイズ」「インデペンデンス・デイ」「メン・イン・ブラック」と話題作に出演、2008年の「最も稼いだ俳優番付」では1位となり、『メン・イン・ブラック2』から『ハンコック』まで8作連続で全米初登場1位・興行収入1億ドル超えを記録するほど、人気の高い俳優です。
・本作は、テニス未経験の父親が、独学で娘にテニスを教え、プロ選手として育て上げる実話を元にしたストーリーです。
・序盤より、テニスコートで色々をと観察するリチャードが描かれます。
・舞台はルイジアナ州となり、アメリカ南部の人種差別も残るような場所とはなります。
・「寝てたら、ゆめは夢で終わる」
・観ているうちにだんだんと、ウィル・スミスがサミュエル・L・ジャクソンに見えてきます。
・「自身を持って答えたら、それ以上聞くんじゃない」
・独特な思想や信念、行動は面白いところはあります。
・「だが、お前たちだけを守るために生きてきた。」
・このシーンでは、黒人と白人の関係が根深いアメリカだからこその環境でもあります。思えば、有名テニスプレイヤーに黒人が少ないようにも思いますが、それは、他のスポーツのほうが身体的能力をもっと引き出せるというところもあるかと思います。
・テニスの指導をしていくポリシーは、リチャードの考えた独自理論でありながらも、着実に身を結んでいく流れには、面白さを感じます。
・大器晩成として、コーチの契約も断り、試合にも参加せず、プロ契約をせず、満を持しての試合に挑むのですが、それほど甘くない現実も描かれます。
・試合には実力ではないところもあると思います。
・アスリートの世界には駆け引きということも必要になるのでしょう。
・とはいえ、実話では世界最強のテニスプレイヤーと称されるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹ということでもあり、この理論は奇跡的に実ったシナリオでもあると思います。
・ウィル・スミスが3度目のアカデミー賞ノミネートで初の受賞をしているという点には、なんとなく、敢闘賞的な感じもしますが、このタイミングの受賞でないと、今後も受賞できないような気もするので、これで良かったのかと思います。