【洋画】「メランコリア 〔2011〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】/キーファー・サザーランド
【個人的評価】

【あらすじ】主人公ジャスティンはコピーライターをする普通の人。ある日、友人の結婚披露宴で色々と問題を起こしてしまう。心の病も患っているジャスティンは日々の生活に苦悩する。そんな中地球に接近する惑星の存在が明らかとなり、終末観が漂う中、ジャスティンの心が変わり始める。

観る人を選ぶ作品ではありますが、苦難や絶望の中にある、ひとすじの平穏を感じられる心の余裕がある人には観てもらいたい映画

監督は「ダンサーインザダーク」「奇跡の海」「キングダム」「ドックヴィル」で名実ともに巨匠のラース・フォン・トリアー。

キルスティン・ダンストは、モデルとして活躍し、1989年『ニューヨーク・ストーリー』で映画デビューをしています。1994年『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』で評価され、2002年以降の『スパイダーマン』シリーズでヒロイン役もしています。2007年『Welcome』で監督デビューもしています。

この作品の制作にあたり、監督は鬱病を患っていて、その際のセラピストからの助言がきっかけ。

監督自身は、ハッピーエンドよりも、不幸を描くことが多く、今作もやはり幸福感とはかけ離れている。

内容は大きく前半と後半で毛色が異なり、特に後半の終末観のある展開は研ぎ澄まされた美しさと恐怖感が共存する。

特筆すべきは。オープニングであり、超高感度カメラで撮影されたような美麗なシーンの連続である。

はじめに各シーンの断片をとても美しい描写力で撮影されたシーンは圧倒的であり、ここまで美しい映像表現をした映画は他にはないのかもしれない。

後半の世界の終焉に近づいていく様もまた美しく、鬱病患者の心の内面を垣間見た気もする。

惑星ニビルというオカルトをよぎらせる惑星の接近は、日に日にその距離が近づき、地球からの眺めに静かなる恐怖感が介在する。

物理学的な考証を持ち出すとトンデモ設定ともなり兼ねますが、ここは映画。

美しいものが破壊をもたらすかもしれない恐怖感を感じさせながらも、どこか平穏感を感じる演出は、まさに不安感に押しつぶされている鬱病患者の視点。

決して喜ばしいことではありませんが、この映画自体の主題も忘れてしまうほど、心に訴えかけるなにかがあります。

観る人を選ぶ作品ではありますが、苦難や絶望の中にある、ひとすじの平穏を感じられる心の余裕がある人には観てもらいたい映画ではあります。

予告編


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