【日本映画】「メランコリック〔2019〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 和彦は、東京大学を卒業後、アルバイトを転々し、うだつの上がらない生活をしていた。ある日、突然銭湯に訪れた高校生の同級生 百合と出会い、そこでの会話で、銭湯で働くことになるが、その銭湯には深夜にも仕事があった。

★★★★☆という個人的評価ですが、「4.8」くらいつけたい作品

田中征爾監督は、大学で演劇を学んだあと、アメリカで脚本を学ぶ、その後放送ディレクターとして働きながら、本作が初監督作品となります。

皆川暢二は、体育教師を志すも、映像作品を中心に映画を制作するようになり、本作は、俳優とプロデューサーという形で関わっています。

磯崎義知は、高校時代から役者として活動し、ロンドンで演劇研修に参加、その後、本作では、準主役とアクション構成の演出に関わっています。

皆川暢二(プロデューサー・俳優)、田中征爾(監督・脚本)、磯?義知(俳優)の3名からなる映画製作チーム「One Goose」を結成しています。

本作は、映画製作ユニット「One Goose」の映画製作第1弾作品となっています。

物語は、東大卒のうだつの上がらない主人公が、銭湯でバイトをするようになるが、銭湯には昼の顔と夜の顔があった。

主人公のひとがコントをやっているときの「」に見えて仕方がないながらも、その感覚はだんだんと払拭されてきます。

その他に登場する人物もほとんど無名の人というところもあるので、ストーリーの展開を予想させないところがあります。

また、主人公の風貌や挙動がどこか自身なさげなところが、観ている側の感情移入をしやすいところもあります。

序盤は、学歴がありながらもうだつが上がらない東大卒業生ですが、生き方が不器用な主人公というところは、わかりやすいところです。

たまたま自宅の風呂ではなく、銭湯に行ったときに同級生の女性と出会い、同窓会で銭湯の話となり、そこで仕事を始めます。

東大を卒業したのに、こういう仕事の仕方というのは、いまいちしっくり来ませんが、そのシックリこない感覚は、本作のキモでもあります。

当然、その銭湯の夜の仕事自体がシックリこないわけですが、よくよく考えると、清掃するという点では、意外とシックリします。

ボイラーで何を炊いているのかも、明確には描かれませんが、多分処分の仕方なのかもしれません。

殺人という要素が入ってきますが、さほどホラー要素があるわけではなく、むしろ、コメディとなるかならないかのギリギリのところでの演出となっています。

登場人物もわかりやすく、主人公自体の行動が丁寧に描かれているので、鑑賞しやすくできています。

ボタンダウンのシャツを着ているシーンがいくつかありますが、ボタンを留めていないところが、キャラクターを示しているところでもあり、このスキのある感じが、主人公の魅力でもあります。

同窓生の友人も、同窓会に来ているのに来ていないという意識があったところに、主人公の存在感というのは示されています。

その中からのラストまでの展開は、きちんとした落とし所にあると思います。

お風呂の水が常に黒ずんでいるところは、浴槽の影響だと思いますが、この色合いは意図的な演出とも考えられます。

主人公の彼女役 吉田芽吹もちょうどよい立ち位置なキャラクターでもあり、なんらかの関わりがあるようなないようなという点もあり、ご都合的な脚本とならない要素には必要だったキーキャラクターでもあります。

東京の映像企画集団「神宮前プロデュース」のワングースという新しい才能が集まった作品でもあり、演出とシナリオでしっかりとした作品には、周囲にオススメしたい作品ではあります。

★★★★☆という個人的評価ですが、「4.8」くらいつけたい作品となっています。

予告編

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