【日本映画】「ブルーアワーにぶっ飛ばす〔2019〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】知/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 砂田は、CMディレクターをしている30歳の女性。結婚もし充実した生活にみえながらも、精神的に荒んでしまっていた。ある日、祖母を見舞うために茨城に帰郷する。

ブルーアワーにぶっ飛ばす

観やすい作品ですがメッセージ性としてもしっかりとできている良作

・箱田優子監督は、CMディレクターとして活躍し、ミュージックビデオなどを手掛けながら、2016年「ブルーアワー」のタイトルの作品でTSUTAYA CREATORS’ PROGRAMにて審査員特別賞を受賞、その後、『ブルーアワーにぶっ飛ばす』で映画監督デビューをし、第22回上海国際映画祭アジア新人部門で最優秀監督賞を受賞しています。

・夏帆は、小学校の頃にスカウトされ、CMあまりデビューをし、その後テレビやドラマに出演をし、2007年『天然コケッコー』で演技が評価され、数々の作品に出演を重ねている女優です。

・シム・ウンギョンは、韓国出身の女優で、2004年『張吉山』でドラマデビューをし、2019年「新聞記者」で数々の賞を受賞し、日本でも活動の幅を広げています。

・物語は、日々の生活に充実しながらも疲れてしまった主人公が、祖母の見舞いのために田舎を訪れ、そこで、様々なことに気づいていくストーリーです。

・序盤は、主人公 砂田の生活が描かれ、結婚も仕事も充実しているように見えますが、実際にはそこまで満たされていないところが描かれていきます。

・とあることで、親友の清浦とともに茨城の田舎に祖母の病気を見舞いに帰郷するのですが、本来の物語はここからはじまるような印象です。

・茨城と東京では距離的な問題はさほどないので、その日帰りをすることも可能ではあります。

・題名の「ブルーアワー」とは、日の出前と日の入り後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯のことで、フランス語に由来する言葉です。

・つまり、夜でも昼でもない、曖昧な時間という意味合いがあり、田舎にいた自分と都会で仕事をしていた自分の合間での気持ちを意味しているようにも思えます。

・「さようなら、なりたかったもう1人の私。」

・都会で疲れてしまい、田舎に帰りたい気持ちと、都会で頑張ってきた自分の気持ちをそれぞれ肯定してくれるような内容なのかもしれません。

・一緒に行動してくれる清浦は、主人公の砂田と正反対のような性格でもあり、ここにも「なりたかった自分」というところが暗に秘められているところでもあります。

・ロードムービーのような始まり方から一転し、自分のあり方を見つめ直し、自己肯定をしっかりとしてくれるような作品ではあります。

・観る人により、田舎や故郷の印象は変わって来ますが、そこは、観る側にどんな故郷への思いがあるかによります。

・92分という時間でコンパクトにまとめられており、観やすい作品ですがメッセージ性としてもしっかりとできている良作です。

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