【監督】ジョン・マクティアナン
【出演】ブルース・ウィリス/ジェレミー・アイアンズ/サミュエル・L・ジャクソン/サム・フィリップス/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 ジョン・マクレーンは、ニューヨークで起こった爆弾テロ事件の犯人 サイモンから指名され、さまざまな無理難題を要求される。
過去作品にとも繋がりをかろうじて保つホリーの登場もあり、ある程度は納得できる作品
・ジョン・マクティアナン監督は、音楽学校で音楽を学び、1986年にピアース・ブロスナン主演『ノーマッズ”nomads”』で自ら書き上げた脚本で映画監督としてデビューしています。
・その後、「プレデター」「レッドオクトーバーを追え」「ラストアクションヒーロー」と話題作に関わりますが、2003年以降映画監督作品は制作していません。
・ブルース・ウィリスは、TVドラマ『こちらブルームーン探偵社』で話題となり本作に抜擢、一躍アクション俳優として注目され、アクションからコメディまで幅広い役どころを演じますが、一時低迷し、『パルプ・フィクション』の重要な役で再注目され、1998年の「アルマゲドン」で見事に返り咲きます。
・さらに「シックスセンス」では演技も評価されトップアクターとして地位を確固たるものとします。その後も「ダイハードシリーズ」や「エクスペンダブルズ」に出演し、話題性の高い俳優です。
・原題の「With a Vengeance」は、「猛烈に」という意味ですが、Vengeanceだと「復讐」という意味になります。
・脚本が難航してしまった作品としても知られ、当初は洋上の戦艦を舞台にした物語でしたが、同時期に「沈黙の戦艦」が公開されたこともあり、難航してしまったと言われています。
・物語は、おなじみのマクレーン刑事が事件に巻き込まれ、解決していくストーリーですが、本作では、犯人側から指名される点では、過去作とはちょっと異なります。
・序盤から、黒人たちが多く住む街で「黒ん坊は嫌いだ(I hate Niggers)」と言うメッセージを持たされて放置されたマクレーンが描かれます。
・本来は休職中でもあり、さらには酒浸りで妻のホリーとも別居が続いているところもアリ、かなりなダメ人間でもあります。
・そもそも、ダイハードの主人公像は、特殊な技能もなく、いたって普通の主人公が活躍する作品ととして、今までのアクション映画と違ったヒーロー像を提示したことで、人気となった作品ですが、シリーズを重ねるうちに、「悪運の強い男」と言う特殊能力がついてきたところになります。
・また本作では、過去作品に登場してきた、パウエルやホリー、ソーンバーグなど、定番キャラクターは、ほとんど登場せず、新たにコンビとなるゼウスが登場してきます。
・とは言え、それも本作以降は登場してくることはなく、ジョン・マクレーンが登場すればダイハードとなることになります。
・ただし、本作のツボとなるところは、1作目のキャラクターに関連する悪役が登場しており、この点がちょっと良いところです。
・よくよく思うと、蛇足感と脈絡が希薄なところもあり良い設定だったかどうかはわかりません。
・前半は、ニューヨーク市内で、おつかいゲーム的な謎かけで構成されており、観客も謎解きに参加しながら楽しめる点は面白いところです。
・ポイントからポイントへの移動も、機転を利かせるようなところもあり、面白さがあります。
・問題は機転を利かせてはいますが、あまりスマートではありません。
・始終、マクレーンとゼウスのコンビで物語が展開するバディムービーですが、これもリーサルウェポンやビバリーヒルズコップがあったので、新鮮さは足りません。
・前半での展開は、とある犯行と連動しており、そのまま中だるみもなく後半につながっていくところはアクション映画らしく、楽しめる要素ではあります。
・追走シーンから終盤の反撃まで、アクション映画としては見応えはあるのですが、ダイ・ハードと言う「なかなか死なない奴」と言うスタンスとはちょっと異なっている印象もあり、ダイ・ハードのタイトルを冠する必要があったかはわかりません。
・今回の敵役のサイモンは、オスカー俳優でもあるジェレミー・アイアンズが演じていますが、初代のアラン・リックマンが演じたハンスと比べると、ちょっと弱かった気もします。
・むしろ、ハンスと言う悪役像は、過去のアクション映画の中でも異色でもあり、知能犯と統率力の高い点で、魅力的な悪役だったといえます。
・同じくサイモンの片腕として登場する、カティアは、サム・フィリップスが演じており、本来はミュージシャンでもあります。
・本作では、過去に声帯を失ったと言う裏設定があり、セリフはありません。演者がシンガーでもありところを考えるとなかなか皮肉な感じです。
・最終的には、アクション映画的にそこそこにまとまっているので、それなりには楽しめます。
・また、過去作品にとも繋がりをかろうじて保つホリーの登場もあり、ある程度は納得できる作品なのかと思います。
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