作品紹介
【監督】松居大悟
【脚本】上田誠
【出演】池田エライザ/阿達慶/久保田紗友/倉悠貴/山谷花純/大関れいか/森田想
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 美雪は、尾道に住む学生。高校3年の夏に保彦が転校してくるが、彼は、300年後の未来からタイムリープをしてきていた。
設定に始終してしまい面白いかどうかという点は別問題で
松居大悟監督は、過去に「アズミ・ハルコは行方不明」をはじめ数作の 映画を監督していますが、個人的には、「自分の事ばかりで情けなくなるよ」の作風に興味を持ち、以降作品を見続けています。
池田エライザは、父が日本人で母はスペイン系フィリピン人で2009年にファッション雑誌「ニコラ」でモデルデビュー後、雑誌「ニコラ」のオーディションを経て専属モデルとなり、2011年に『高校デビュー』で映画デビューしています。2013年には「CanCam」の専属モデルになっています。役者やモデル、映画監督と活動の幅を広げている女優です。
本作は2012年に刊行された法条遥の小説で、『リビジョン』『リアクト』『リライブ』と4シリーズの第一作目です。
本作は「時をかける少女」のオマージュとして、全編尾道ロケを行っています。「時をかける少女」にゆかりの俳優も登場しています。
脚本は、上田誠でもあり、「サマータイムマシン・ブルース」や「リバー、流れないでよ」の作品を手掛けているので、本作も、さまざまな仕掛けで楽しめるように思います。
物語は、高校3年の夏に転校してきた少年が300年後の未来からやってきていた。彼からもらった薬で10年後にタイムリープをすると、未来の自分からとある小説を見せられるストーリーです。
序盤から家で時間のループが完成する日を待っていた美雪が描かれ、高校3年の夏に保彦が転校してくるシーンが描かれます。
その後、図書館で本を返しに行くのを頼まれ、そこで保彦と出会い、とある秘密を知ってしまいます。
本作は、「時をかける少女」をモチーフしているところがあり、2311年から来た保彦が未来のことやタイムリープを知っています。
「いつか、大事な人を救えるかもよ」
保彦は未来人で人の記憶を一時的に消すことができ、その時にラベンダーの香りがするところも、「時をかける少女」をなぞらえています。
タイムリープをしてきた保彦と、普通の高校生である美雪とのラブストーリーっぽい感じで序盤は描かれますが、物語自体は予測できないストーリー展開をしていきます。
高校時代に自身で旧校舎が倒壊し、美雪が10年後にタイムリープをしてトラブルを避けることを考えるとともに、10年後の美雪から将来小説家になることを告げられ、その後、「少女は時を駆けた」で小説家となるのですが、小説家のなった美雪に災難が起こっていきます。
茂というキャラクターを始めとして、徐々に高校時代のクラスメートが登場していき、キャラクターの相関が広がっていく手法で、本作の内容が広がっていきます。
高校時代と10年後をザッピングしながら物語が進むのですが、美雪のタイムリープが完成する10年後に、高校時代の美雪は現れず、物語にひずみが出てきます。
中盤で、美雪の思っていた展開とは異なることが起こって行き、パラドックスとは違う未来の時間軸のような展開となっていきます。
この構造が複雑でもあり、段々とタイムリープの円環が歪んでいき物語がちょっとずつ変化が起こっていくところは面白いです。
物語自体は複雑な印象がありますが、そもそも的には、保彦自体の存在が問題なだけであって、保彦に振り回されているようなそんな感じです。
主人公は美雪ではありますが、保彦の存在のためにパラドックスが起きないように、パラドックスのパラドックスというループの構造が徐々に紐解けてきます。
複雑そうな話ではありますが、中盤過ぎでしっかりとストーリーを説明するような展開でもあり、高校生の時代と10年後の時代のどちらのシーンがかわかれば、さほど問題はないです。
中盤以降の時間軸の説明で非常にわかりやすくできているので、前半で意味がちょっとわからなくても、しっかり理解できるようになっています。
問題は、結局、なにをやっているのか?というのが非常に見失うところでもありますが、これも、後半でしっかりと説明がされます。
「過去も未来も、おまえのもんだろ」
脚本が、上田誠なので「サマータイムマシン・ブルース」「ドロステのはてで僕ら」「リバー、流れないでよ」あたりが好みの人には楽しく観られる作品です。
なお、松居大悟監督らしさという点では、むしろ上田誠の脚本のインパクトが強いので、松居大悟監督はまとめるところに始終したんだろうなぁと思います。
内容はよくできているのですが、やはり上田誠脚本は設定に始終してしまい面白いかどうかという点は別問題で、2018年「君が君で君だ」のほうが楽しめる作品だったなぁという点から考えると、もうちょっと破綻するくらい笑える要素があっても良かったのかもしれません。
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