作品紹介
【監督】コラリー・ファルジャ
【出演】デミ・ムーア/マーガレット・クアリー/デニス・クエイド/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 エリザベスは、元人気女優。50歳となり容姿の衰えで仕事が減っていくことで、「サブスタンス」という違法薬品で若さと美貌を取り戻すが、絶対的なルールがあった。

もうちょっと言い換えると、「笑ゥせぇるすまん」的な要素も感じてしまうところ
コラリー・ファルジャ監督は、2017年『REVENGE リベンジ』で長編映画監督デビューをし、その後、テレビドラマや映画製作をしているフランス出身の監督です。
デミ・ムーアは、16歳よりモデルとして活動をし、1981年「恋人たちの選択」で映画デビューをしています。1985年『セント・エルモス・ファイアー』の撮影の際にドラッグを使用しながらの演技をしてしまい、トラブルを起こしながらも、ナスターシャ・キンスキーに諭されて、気持ちを入れ替えています。1990年『ゴースト/ニューヨークの幻』でのヒットで一流女優としての地位を固め、2024年「サブスタンス」でゴールデングローブ賞 最優秀女優賞を受賞しています。
マーガレット・クアリーは、母にアンディ・マクダウェルを持ち、2011年よりモデルとして活動しています。2013年「パロアルト・ストーリー」で映画デビューをし、その後、ネットフリックス配信の映画や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などに出演している女優です。
本作は、第77回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、第97回アカデミー賞で5部門にもノミネートされており、今後のコラリー・ファルジャ監督の活躍が期待できるところです。
物語は、高齢となり、容姿に衰えが出ている元人気女優が、違法薬物を使い、若さと美貌を取り戻すが、その薬物の使用にはとあるルールがあったというストーリーです。
序盤から、卵の黄身になにかを注入し、そこからもう一つの黄身が発生するシーンが描かれます。
なんの意味なのかがわかりにくいのですが、本作はとある技術で若さを取り戻すも、その副作用に苛まれて行く展開です。
主人公のエリザベスは、デミ・ムーアが演じており、60歳を超えながらも若々しくエクセサイズをしているシーンから始まり、エリザベスは過去にオスカー女優として名を馳せたところもあり、徐々に若さには勝てないような状態ながらも、なんとか美貌を維持していくところが描かれます。
デミ・ムーア自体も60歳にしては若々しい見た目をしていますが、本作は、老いを受け入れないで美貌に固執をしてしまったところは、役柄と現実とが若干交錯する感じです。
過去の栄光があり、ある程度裕福ではありますが、なにか喪失感を感じていくところに、「サブスタンス」の存在を知り、この薬に手を出していきます。
一定の期間で、若さと老化が交互に入れ替わるということで、その昔の美貌を取り戻し、もう一人の存在として「スー」として過ごしていきます。
個人的にデミ・ムーアは好きな女優だったのですが、1990年「ゴースト/ニューヨークの幻」のヒットで、何かが変わってしまったようにも思います。「セント・エルモス・ファイアー」や「きのうの夜は…」は良作ですので、これらの作品で彼女の魅力を感じるのも良いでしょう。
サブスタンスを初回に使ってしまったときのシーンがなかなかの体を張った演技ですが、60歳を超えてこのシーンを演じるのはなかなかな役者馬鹿(褒め言葉)です。
本作は、失われてしまう美貌に固執をし、美貌や若々しさを維持していこうとする姿による多少ホラー感のある作品です。
もうちょっと言い換えると、「笑ゥせぇるすまん」的な要素も感じてしまうところがあり、欲に溺れた顛末を描いているところになります。
「チャンスは来たときに掴まなきゃ、二度とやってこない」
スーになったときとエリザベスである時の姿の差はなかなかすごいのですが、ここまでで物語の30%で残りはどういう顛末なのかは見ていくと良いです。
段々と演出自体は、デビッド・クローネンバーグ的なところになってくるので、デビッド・クローネンバーグの世界観が好きな人にはとても楽しめると思います。
ホラー感もある作品ですので、ある程度怖いもの見たさなところもある作品ですが、ある意味コントな作品です。
予告編
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