【日本映画】「神回(2023)」★★★★☆

作品紹介

【監督】中村貴一朗
【出演】青木柚/坂ノ上茜/新納慎也/桜まゆみ/岩永洋昭/平山繁史/渡辺綾子/横江泰宣/仁科かりん/中條サエ子/
【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公 沖芝樹と加藤恵那は、高校の文化祭の出し物の打ち合わせを行うが、突然、樹の眼の前が真っ暗となり、打ち合わせの開始時間の13:00に戻ってしまうことが繰り返される。

監督:中村貴一朗, Writer:中村貴一朗, 出演:青木柚, 出演:坂ノ上茜

とにかく、主人公に感情移入をしながら観るのがよいです

中村貴一朗監督は、19歳でフィルム撮影した映画が劇場公開され、そこで、制作業を始めています。短編映画『命乞い』『Overlong』などを制作し、2023年「神回」で長編映画デビューをしています。

青木柚は、2010年劇団ひまわりに所属し活動を始め、2014年「平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」で映画デビューをしています。その後、舞台や短編映画にも出演しており、今後が期待できる俳優です。

坂ノ上茜は、2009年「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」で俳優・ルックス部門賞を受賞しています。2015年『ウルトラマンX』で女優デビューをしています。2016年「劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン」で映画デビューをし、舞台や映画で活躍しながら、レポーターなどでも活躍しています。

物語は、高校生の生徒2人が、教室で文化祭の出し物を考えていますが、時間が巻き戻る現象に戸惑いながらも、その現状がなんなのかを描いていくストーリーです。

序盤から、病院の部屋のような場所で看護師がとある人の様子を観に来るところから始まります。このはじめのシーンがちょっと重要なところですが、そこから急に場面は変わります。

「ありがとう、ねぇ?聞いてる」

そこから夏休みの学校にシーンが変わり、誰もいない教室で樹と恵那が文化祭の打ち合わせを行うシーンとなります。

打ち合わせをしながら、突然、樹が耳鳴りを感じ倒れてしまい、再び同じことが繰り返される流れとなります。

「ありがとう、ねぇ?聞いてる」

この言葉がループの最初の言葉となり、樹自体、デジャブを繰り返しているような感じで物語が進みます。

登場人物は、樹と恵那のほぼ2人ですが、同じことが何度も繰り返される時点で、本作の奇妙なところが徐々にわかってきます。

基本的には樹視点で物語が描かれていくので、この現象の謎なところがどういうことなのかが観ている側も興味が惹かれるので、序盤からしっかり面白く観られます。

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」や「リバー、流れないでよ」などの作品のような設定にも感じます。

本作が巧妙なところは、上記の作品のようなことだけではなく、この現象がどうなっているのかというカラクリを紐解いていく樹の行動の可能性が無限にあるというこで、この無限の選択肢をどう歩んでいくのかが前半の流れです。

中盤以降、徐々にこの現象のヒントが出てくるので、勘の良い人であれば、どういうことなのがわかってきます。このタイミングでわからなくても、しっかりと本作のカラクリが分かってくるので、気が付かなくても大丈夫です。

後半は前半の内容の伏線がしっかりと生きてくるところでもありますが、ここまでで締めくくられないところに、本作のすごさがあります。

「一緒に年とろうぜ、沖芝樹」

終盤、渡された扇子の経緯も、もうちょっと序盤でも良かったのかもしれません。

「あのときそうしておけばよかったな」と思えることが多いことに後悔を抱いてしまうのであれば、やはり、行動することに意味があったのかなぁと思います。

「ありがとう、ねぇ?聞いてる」

観終わったあとの締め付けられるような感情は、なんとも言い難い不思議なところがあります。

女性の人よりも、男性の人に観てもらうほうが良い作品ですが、とにかく、主人公に感情移入をしながら観るのがよいです。

予告編

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