【日本映画】「岸辺露伴は動かない 懺悔室(2025)」★★★☆☆

作品紹介

【監督】渡辺一貴
【出演】高橋一生/飯豊まりえ/玉城ティナ/戸次重幸/大東駿介/井浦新/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 岸辺露伴は、相手の心や記憶を本にして読む特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を使える漫画家。ベネチアに旅行に行った際に教会の懺悔室でとある男の懺悔を聞いたことで、思わずトラブルに巻き込まれていく。

監督:渡辺一貴, Writer:小林靖子, 出演:高橋一生, 出演:飯豊まりえ, 出演:井浦新, 出演:玉城ティナ, 出演:戸次重幸, 出演:大東駿介

しつこいくらいの展開のスピード感のスローさが

渡辺一貴監督は、NHKでドラマを制作してきており、「龍馬伝」「平清盛」「おんな城主直虎」などの大河ドラマをはじめ、多数のドラマを制作し、2020年「岸辺露伴は動かない」を手掛けています。2023年「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」で映画監督デビューをしています。

高橋一生は、1990年『ほしをつぐもの』で映画初出演をしており、その後演劇や声優などで活躍するようになりましたが、端役が多かったのですが、数年前からやっと主演クラスの作品で目立つようになってきています。なお、スタジオジブリ作品「耳をすませば」では、主要キャラクター・天沢聖司の声優を担当しています。

飯豊まりえは、2008年「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」でグランプリを受賞し、モデルとして活躍します。その後、『ニコ☆プチ』の姉妹雑誌『nicola』などを務め、2012年からは、俳優としても活動しており、多彩な活動をしています。

今回は、コミック1冊目にある「懺悔室」が原作となっています。正確には「岸辺露伴は動かない 〜エピソード16:懺悔室〜」となっており、岸辺露伴のスピンオフ作品では、16個目のエピソードになっています。エピソードは、順番には掲載されておらず、以降、「2、5,6,4,7,8、9、10、11、12」と掲載されており、いくつか未掲載のエピソードがあります。現在、コミックで掲載されているエピソードとしては、今回の懺悔室はもっとも数字の大きなエピソードとなっています。

物語は、特殊な能力を持つ漫画家の主人公が、ベネチア旅行に行った際に教会の懺悔室でとある懺悔を聞いてしまったことで、恐ろしいトラブルに巻き込まれていくストーリーです。

序盤から、ヴェネツィアにいる岸辺露伴に電話がかかり、イタリアに行く予定のリマインドを泉京香がしてきます。

露伴はすでにヴェネツィアに訪れており、目的は文化交流として公演することが旅の予定となっています。

岸辺露伴は動かないの映画版は2作目となりますが、どちらも海外での出来事からの作品となっており、本作はイタリアを舞台としています。

イタリアの裏路地でスリに遭いますが、そこでヘブンズドアの能力を使い、スリにはスリができないようにしてしまいます。

ここでタイトルとなりますが、タイトルまでで、「岸辺露伴は動かない」がどういう物語がわかり、過去作を観ていなくても楽しめるようになっています。

序盤が非常に退屈なところもあり、前作の映画同様に、音楽が控えめでセリフ等も漫画原作に沿った感じなので、映画としてのテンポはゆっくり目となります。

「幸福の絶頂」に現れるソトバにより「ポップコーンを街灯より高く投げ、それを口で3回連続でキャッチできなかったら絶望を受け入れろ」という試練を水尾に与えられ、失敗してしまいます。

この呪いのようなことが、本作の中盤まで描かれ、その呪により、さらなる悲劇が起こっていくだろうという展開が後半になります。

漫画原作の内容は中盤ですべて描かれ、中盤以降はオリジナルストーリーとなりますが、あくまで、岸辺露伴は動かないのテイストで展開するので、違和感はありません。

本作では、岸辺露伴はあくまで傍観人のような立ち位置でもあり、細かい物語は、本作のみの登場人物で展開していきます。そのため、本作だけでも内容は理解しやすいです。

音楽は、生成AIを使って制作されているようで、賛否があったようですが、新しい試みとして活用下とのことです。

本作は、110分の作品となりますが、演出が丁寧のような、スローモーションを多用しているのか、どうも物語の流れがテレビドラマ版よりも時間の引き伸ばしをしているような気もします。

「でも、絶望って死ぬことなんですかね」

設定的には面白いのですが、2時間近くの物語ではなく1時間くらいでまとめられたのではと思います。

今回も、「岸辺露伴は動かない」シリーズの映画はちょっと不完全燃焼感があり、TVドラマ版のほうがきっちりとまとまっているような気がしますので、映画版は残念な印象です。

作品自体は前作同様に落ち着いた感じのまったりとした展開であり、しつこいくらいの展開のスピード感のスローさがあります。

結末もおおよそ予測がついてしまうのですが、岸辺露伴の世界観が好みの人には良いのかもしれません。

ジョジョの奇妙な冒険のキャラクター岸辺露伴のスピンオフ作品ではありますが、特に漫画を読んでおく必要がないところは、よくできているところではあります。

予告編

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