作品紹介
【監督】塚原あゆ子
【出演】満島ひかり/岡田将生/ディーン・フジオカ/大倉孝二/酒向芳/宇野祥/安藤玉恵/
【個人的評価】★★☆☆☆
【あらすじ】主人公 舟渡エレナは、流通センターのセンター長に着任した女性。ある日、倉庫内で爆破事件がおこり、事態の収拾をマネージャーの梨本孔とともに行う。

物語の展開にまったく魅力を感じないところ
塚原あゆ子監督は、TBSのテレビドラマの演出家として多数の作品を作り、「グランメゾン東京」「アンナチュラル」などなどを手掛けています。2019年「コーヒーが冷めないうちに」で映画初監督をしています。
満島ひかりは、1997年に7人組ユニット「Folder」に参加してデビューしています。その後、「Folder5」に改称していますが、継続して所属をしています。「Folder5」の活動休止後、「満島ひかり」名義で活動を開始しています。1997年「モスラ2 海底の大決戦」で映画初出演をし、2009年「愛のむきだし」で数々の賞を受賞しています。2010年「川の底からこんにちは」でも高い評価を得ており、その後、「悪人」「愚行録」「川っぺりムコリッタ」などで活躍をし、テレビドラマでも数々の作品に出演しています。「モテキ」「それでも、生きてゆく」をはじめとして、多くの作品で巧みな演技力で評価されており、テレビや映画、舞台など幅広い活動をしている女優です。
岡田将生は、中学2年のときに原宿でスカウトされ、一旦は断るも、のちに芸能事務所に所属し、デビューしています。その後、2007年「アヒルと鴨のコインロッカー」で映画デビューをし、着々とキャリアを重ねています。2014年には、蜷川幸雄演出による舞台にも出演し、幅広い活動をしています。
物語は、物流倉庫のセンター長の主人公が、突如発生した連続爆破事件に巻き込まれ、その事件に解明をしていくストーリーです。
序盤から、宅配便として荷物を配送しているシーンが描かれ、その荷物が爆発し、事件となっていることが描かれます。
主人公の舟渡エレナは、DAILY FASTという企業で物流のセンター長として仕事をしており、新しく赴任してきます。
通勤場所は、多摩モノレールで通う場所であり、倉庫で物流を行っている仕事となり、いわゆるアマゾンなどの倉庫が参考になっているのかと思います。
舟渡エレナはキャラクター的にちょっとめんどくさいなぁと思うところもあり、有能なのはわかるのですが、あまり一緒に仕事をしたくないキャラクターで、イライラします。
正論なことを言うキャラクターではありますが、思い込みも激しい感じもあるので、序盤でのエレナの行動には感情移入したくないところはあります。
満島ひかりのキャラクター性もありますが、やはりキャラクター的にはあまり好きになれないところはあります。
野木亜紀子の脚本の問題もありますが、登場人物の各人があまり性格が良い感じもしない点と、複数の場所をザッピングで描いていくので、ある意味群像劇的なところもあります。
それぞれのキャラクターの魅力が全くないので、観ていても楽しくないところもあり、本作の面白味が非常に低いです。
倉庫と配送物の関係で爆破事件が発生しますが、そもそも、企業の内部の社員が捜査していくことに現実感もなく、どうも本作の意図がいまいちわかりません。
一部「アンナチュラル」「MIU404」の登場人物が同じ役柄で出演をしていますが、あくまでファンサービスなのかなぁと思います。
登場人物が多い点と、物語の展開にまったく魅力を感じないところに、映画よりもスペシャルドラマで制作したほうが良かったような感じもします。
そもそも、爆発物がある危険性のある状態で業務を継続する状態は、一般社会的な考え方としても、一企業の独断で運営はできないかとは思います。つまるところ、日本を舞台に下物語のようで、ぜんぜん違う国の話なんでしょうね。
リアリティを追求した取材もなしに物語を制作したんじゃないかなぁといううわべのみの物語な感じがします。
いろいろな社会問題を絡めながら、エンタテイメントな作品を制作し、物流業界を主としてサスペンスな感じの物語を目指したのはわかるのですが、2時間の映画で制作したところと感情移入できないキャラクタしかいない点は非常に残念なところです。
予告編
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