作品紹介
【監督】堤幸彦
【出演】のん/田中圭/滝藤賢一/田中みな実/服部樹咲/髙石あかり/橋本愛/橘ケンチ/光石研/若村麻由美/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 加代子は、新人賞を受賞しつつも大物作家から酷評を受けて華々しいデビューができなかった新人作家。大物作家 東十条宗典との間で因縁の対決が始まる。

ポテンシャルはあったはずなのに何故か演技の幅に自ら制限を加えているようにしか見えない
堤幸彦監督は、 TVドラマと劇場映画の両方を独特な世界観で制作することで知られており、軽快な演出とこだわりの映像でファンも多いと思われる監督です。
のんは、2006年第10回ニコラモデルオーディションに応募し、グランプリを獲得し、以降2010年まで専属モデルとして活躍しています、2010年「告白」で映画デビューをし、CMやドラマで活躍しています。2013年NHK連続テレビ小説『あまちゃん』のヒロイン・天野アキ役を演じて話題となるも、2015年に事務所独立騒動のために休業状態となり、芸名を能年玲奈から「のん」と変え、芸能活動を再開し、2016年「この世界の片隅に」で主人公の声優を演じて話題となっています。
田中圭は、役者を志し、「トリビアの泉」の確認VTRの出演を経て、2008年『凍える鏡』で初の主演を務め、TV番組等で活躍している俳優です。
物語は、新人作家として新人賞を受賞するも、大物作家に酷評されたことで、新人作家としてデビューが難しくなった女性作家が主人公。ある日「山の上ホテル」に宿泊したときに、大物作家も同じく宿泊していることを知り、仕事の邪魔をすることで、2人の因縁の対決が始まっていくストーリーです。
序盤から、山の上ホテルの説明をしつつ、その一室に宿泊をする主人公 加代子が描かれます。
小説家として夢を抱いている加代子的には、山の上ホテルに宿泊をし、その部屋で優雅に執筆するのは小説家の憧れでもあり、そこに、編集者の遠藤道雄がやってきます。
この時点ですでに台詞回しで察してしまうのですが、すべて説明セリフであり、状況を理解していくのにはわかりやすいのですが、物語としての演出は非常に観ていて辛い感じがします。
その後、大物作家 東十条宗典と加代子の因縁もとてもわかりやすく、その因縁の復讐として、東十条宗典の仕事を邪魔をしていく展開です。
「山の上ホテル」は、東京都千代田区御茶ノ水にあるホテルで、もともとは旧海軍の宿舎として使用されており、1954年にGHQより返還されて、山の上ホテルとして使われています。2024年には明治大学が建物と土地を取得しており、歴史的建造物として保存されていくと思われます。
主人公を演じるのは「のん」になりますが、本作では、ちょっとあまり良くない感じの演技の状態であり、コメディとはいえある意味鬱陶しい印象があります。
この展開はいちいち東十条宗典と加代子の対比で描かれていき、中盤まではコント的な流れともなるので、序盤でこのノリが合わない人は終盤まで本作の感じには乗り切れないとは思います。
中盤以降は、ちょっと物語にひねりが加わっていきますが、結局、東十条宗典と加代子の関係を加代子中心に描かれているところもあり、「のん」自体を受け入れて楽しむ作品です。
様々なファッションや顔芸の「のん」が観られるのはよいのですが、観ているうちに「のん」自体が結局女優としての魅力が非常になくなってしまっているようにも感じます。ポテンシャルはあったはずなのに何故か演技の幅に自ら制限を加えているようにしか見えないところは非常に残念です。
主人公 視点での物語ではあり、わかりやすいところはあります。そういうこともあって、のんの弾けた感じの演技で、ほぼ充分楽しめるかと思います。
予告編
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