作品紹介
【監督】マイケル・マン
【出演】アダム・ドライバー/ペネロペ・クルス/シェイリーン・ウッドリー/サラ・ガドン/ジャック・オコンネル/パトリック・デンプシー/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】1947年にフェラーリ社を創業したエンツォ・フェラーリは、会社経営と私生活の中で窮地に陥りながらも、起死回生をかけてレースに挑んでいく

レースが好きというよりも、フェラーリという歴史をみる作品
マイケル・マン監督は、『博士の異常な愛情』を観て映画監督を志し、1968年「Insurrection」で短編映画制作しています。主にテレビドラマを制作し、1979年『ジェリコ・マイル/獄中のランナー』のテレビ映画で注目され、1981年『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』で劇場映画監督デビューをしています。その後、1992年『ラスト・オブ・モヒカン』で高い評価を得ており、1995年「ヒート」でも有名俳優の共演で話題となっています。1999年「インサイダー」で、第72回アカデミー賞7部門にノミネートされています。
アダム・ドライバーは、2012年よりテレビドラマで活躍し、2013年『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』に出演、『ハングリー・ハーツ』では主演を演じ評判となります。その後、2015年『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でカイロ・レン役として知名度を上げ、2018年『ブラック・クランズマン』では第91回アカデミー賞助演男優賞に初ノミネートされている実力ある俳優です。
ペネロペ・クルスは、スペインの俳優で、1992年「ハモンハモン」で映画デビューをしています。1998年『美しき虜』でゴヤ賞主演女優賞を受賞、2006年『ボルベール〈帰郷〉』では、カンヌ国際映画祭女優賞、ヨーロッパ映画賞最優秀女優賞などを受賞しています。2008年『それでも恋するバルセロナ』でアカデミー助演女優賞を受賞しており、スペイン人女優の初受賞をしています。2010年にハビエル・バルデムと結婚をしています。
物語は、フェラーリ社の創業者、エンツォ・フェラーリを描いた自伝的ストーリーです。
本作は20年以上前から企画されていた作品で、主演俳優も、クリスチャン・ベールやヒュー・ジャックマンなどが候補となっていましたが、2022年に現在のキャストが決まっています。
序盤から、モノクロ映像でカーレースの映像が流れ、そこからタイトルとなります。
主人公 エンツォ・フェラーリが1947年にフェラーリ社を設立し、その10年後の1957年の話に展開していきます。
本作は、フェラーリ社の経営苦難の中、様々な苦難が降りかかり、そこからの再起を図り、イタリア全土をそうはするレースに挑んでいく展開となります。
舞台は1957年のイタリアとなり、すでフェラーリ社がある状況で、主人公のエンツォ・フェラーリの私生活を中心に描かれており、妻と愛人のいる生活を送っている中、フェラーリ社自体も破産寸前の業績不振にあえいでいるところがあります。
エンツォ・フェラーリは59歳の設定ではありますが、当時としてはかなり元気な59歳の印象を受けます。
倒産危機にあるフェラーリ社というのは今では考えにくいところでもありますが、作品内ではその危機的状況でもあり、経営不振を払拭するために、イタリア全土1000マイルを走る「ミッレミリア」と言うレースに出場します。
レースは中盤以降から描かれていきますが、1957年の時代でのレースとなるので、当然車もそれなりのフォルムであり、運転も「マッハGoGoGo」のような感じでの描かれ方となります。
エンジン音を聞くという点では臨場感もありますが、どこをどう走っているかがちょっとわかりにくいところもあり、臨場感が出るようなアップでの撮影が逆に状況がわかりにくい感じもします。
ドローンやCGで臨場感が出るような映像作りをしているのはわかりますが、画面が動きながらアクションを描かれてもわかりにくさがあり、いまいちどうなっているのか見づらいところがあります。
「ミッレミリア」のレースは物語の一部にしか過ぎず、エンツォ・フェラーリ自体はドライバーになるわけではないので、いまいち感情移入しづらいところもあります。
あくまで、エンツォ・フェラーリの私生活の話でもあり、レース自体は物語全体の話ではないので、レースが好きというよりも、フェラーリという歴史をみる作品ではあります。
予告編
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