【日本映画】「17歳は止まらない(2023)」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】/青山凱//ジョカベル美⽻/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 瑠璃は、農業高校に通う女子高生。友人に同学年の山田マサルを紹介されるが、瑠璃は教師の森に片思いをしていた。

17歳は止まらない

17歳は止まらない

池田朱那, 片田陽依, 白石優愛, 大熊杏優, 中島歩
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この勢いに共感する人は多いのではと思える傑作だと

北村美幸監督は、長年にわたりAVの制作や監督を行ってきています。その後、2020年に城戸賞二次審査を通過し、『17歳は感じちゃう』を映画化しています。なお、後に改題をし、「17歳は止まらない」というタイトルに変更しています。

池田朱那は、スカウトされ、2017年にテレビドラマに出演しています。その後、2018年「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」で映画デビューをしています。舞台やテレビ、映画と幅広く活躍している女優です。

物語は、農業高校に通う主人公が、学校の先生に片思いをしている女子高生。同学年の男子高校生を紹介されるが、学校の先生に片思いをしていたが、そのことで様々な困難にぶつかりながらも、成長をしていくストーリーです。

序盤から、学校で家畜を飼育している姿が描かれます。農業高校というところではありますが、命の尊さを学ぶということもしています。

「残酷って思うのは勝手だけど、君が食べているお肉もどっかで誰かが殺してるってことだから覚えておいて」

いただきますというのは、命を頂いているというところでもあり、この伏線はしっかりと覚えておくと良いです。

家畜を屠殺するところも出てきますが、これも生きている鶏を自分の手であやめるところでもあり、自ら行う行為をもとに生きているというところが描かれます。

とはいえ、本作は恋愛要素もあり、主人公の瑠璃は学校の森先生に片思いをしています。

「このままだったら風邪引いちゃいます」

雨の中に、森先生の家に押しかける瑠璃のシーンでの森先生の玄関先のやり取りは、ちょっとグッとくる感じで魅力的です。

このシーンで本作のスイッチが入ったほうな気もします。「17歳は止まらない」というタイトルのまさしくな、後先考えてないところがあります。

「これからも好きでいます、いいですよね。」

中盤で、瑠璃は、先生とドライブを無理にしますが、ここでの会話も止まらないところがあり、瑠璃の気持ちが重すぎるのですが、本作の魅力は、この重いところでもあります。

自暴自棄というわけではない瑠璃の行動の先生が好きということでグイグイ来るところは、妙なエロビデオ的な展開にも思いますが、そこまで不純なところではなく、とにかく瑠璃がむちゃくちゃなところが面白いのです。

「後悔すんぞ」

その後、急に物語が大きく変わりますが、起こったことがスポッと抜けた状態での憶測が飛び交うわけですが、この演出がうまいです。瑠璃の主人公視点での物語であり、周囲の状況は瑠璃視点で見えてくるので、この演出が最適解とも思えます。

その後、自暴自棄のようにも見えますが、なにかすがるものが欲しかったという瑠璃のちょっと繊細な面が見え隠れするところも良いです。

「それでも男、自分の意思はないの?」

「るーちゃんが好きだよ」

マサルとの関係も、以前にそっけない態度を取っていたのとは裏腹に、そこにすがるものを見出そうとしますが、瑠璃が先生に思っていた気持ちの勢いを他人の感情の勢いと照らし合わせてしまっているのかもしれません。

「帰るんなら今だよ、あと階段これだけ」

結局、どこかでマサルが気を取り直して帰ってしまうのを期待していたんだと思うのですが、その本心は、その後の行動でわかります。

学校での出来事や友達や先生などを織り交ぜながら学生恋愛物語のようにも見えますが、実際には、思春期のどうにも抑えられない気持ちが充分に描かれていて、この勢いに共感する人は多いのではと思える傑作だと思います。

予告編

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