作品紹介
【監督】デヴィッド・クローネンバーグ
【出演】ヴィゴ・モーテンセン/レア・セドゥ/クリステン・スチュワート/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 ソールは、体内から新たな臓器を生成する加速進化症候群という病気になる。体から生まれてくる臓器を摘出することをショートして人気を集めるが、政府から関心を持たれてしまう。
サブスクで観る
H・R・ギーガーが好きな人には良いのかも
デヴィッド・クローネンバーグ監督は、カナダの映画監督で、大学で生物学を学んだ後、映画製作を行うようになります。1966年「Transfer」で短編映画を制作し、1969年「ステレオ/均衡の遺失」で長編映画デビューをしています。その後、1981年「スキャナーズ」1983年「ヴィデオドローム」1983年「デッドゾーン」1986年「ザ・フライ」を制作し、カルト的な人気となっています。その後も、1996年「クラッシュ」や1999年「イグジステンズ」などを制作し、独特な世界観で魅了している映画監督です。
ヴィゴ・モーテンセンは、映画に多数出演しており、有名な作品では、『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルンであり、有名役者の仲間入りを決定的にしています。
レア・セドゥは、フランスの女優で、祖父はパテの会長、叔父はフランス映画配給会社ゴーモンの会長となっています。母親は、石油開発会社シュルンベルジェの創業者の孫となっています。2006年『Mes Copines』で映画デビューをし、2009年『イングロリアス・バスターズ』でハリウッド映画にも進出しています。2013年『アデル、ブルーは熱い色』で映画が、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、出演していたこともあり異例の出演女優としてパルム・ドールを受賞しています。2011年「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」や2015年「007 スペクター」などにも出演しており、ドラマからアクションまで多彩な役を演じこなす女優です。
今回「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー 」は、2014年「マップ・トゥ・ザ・スターズ」以来、8年ぶりのデヴィッド・クローネンバーグ監督作品となります。なお、デヴィッド・クローネンバーグ監督は、1970年「クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立」を制作していますが、題名が似通っているだけで、関連性はなく、続編でもありません。
物語は、近未来の世界で、体内から新たに臓器を生み出してしまう病気となった主人公が、その病気を利用して、臓器を生み出すショーを行うが、政府関係者から狙われて行くストーリーです。
序盤から、なにが写っているのかわからないような映像のタイトルバックから始まります。その後、船が沈没している海岸でブレッケンという少年が登場しますが、サラッと、「何も食べないで」と母親から言われます。
なんのことかわからない感じですが、その後に、プラスティックのゴミ箱を食べているブレッケンが描かれ、特殊な子供なことがわかります。
母親は、その異様な息子を殺してしまいますが、プラスティックを食べている子供を異様に感じてしまうのはわかります。でも、この作品、デヴィッド・クローネンバーグの作品なので、逆に異様な感じはしないんですよね。
っそこから、謎なマシンが登場し始め、ソールという男が登場します。異様なマシンはベッドなのですが、ソール自身は、加速進化症候群で普通の生活ができないのがわかります。
ソールはちょっと訳のわからないマシンに頼らないと生活できない体ながら、とある手術を公開することで、話題になっていきます。
あとはもう、訳のわからない異形なものが多々登場してきますが、観ていて間接的に痛々しい感じもあり、徐々に観るのが苦痛になってきます。
とはいえ、この異形なモノはデヴィッド・クローネンバーグにしか表現できないくらい独特であり、むしろ、これが観たいために本作を観るような感じです。
ストーリー性云々よりも、この訳のわからない機械と手術自身に何か欲求を満たす行為にもなってくることで、もう、デヴィッド・クローネンバーグの独特な訳のわからない世界に引き込まれていきます。
臓器を作り出すという奇病という設定は異質なものではなく、皆が求めるような世界観であり、この世界観は常識では測れないところもあるので、このよくわからない世界を受け入れて観るほかありません。
思えば、痛みのない世界ですが、痛みがなくてもつらそうなところに意味がわからないのもデヴィッド・クローネンバーグです。
H・R・ギーガーが好きな人には良いのかもしれません。
予告編
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