作品紹介
【監督】佐近圭太郎
【出演】森田想/中村映里子/中崎敏/熊野善啓/松浦祐也/川瀬陽太/カトウシンスケ/小林リュージュ/堀春菜/三村和敬/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 遥風は、パワハラを理由に退職に追い込まれる。母の訃報を受け、実家に戻るが、父と兄弟からは反対を受けるが、「家族自立化計画」として実家を見直し始める。
佐近圭太郎監督は、日本大学藝術学部映画学科監督コースを卒業し、卒業制作の『家族の風景』で、高い評価を得ています。2020年『東京バタフライ』で長編映画監督デビューをしています。
森田想(こころ)は、子役として活動し、2013年「映画 鈴木先生」で映画デビューをしています。テレビドラマにも出演しながら、映画や舞台に出演しています。2018年「アイスと雨音」で主演を演じており、映画やテレビで印象的な役柄を演じる女優です。
本作の原案は、中川龍太郎が行っており、中川龍太郎監督の世界観も醸し出されています。
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【感想・レビュー】82分でキレイにまとまった作品でもあり
物語は、母の訃報を期に実家に戻った主人公が、実家に固執する家族と衝突しながら、「家族自立化計画」として、大切なことに気付いていくストーリーです。
序盤から、片付いた店でぼぉっとしている遥風が描かれ、そこから、テレワークでカウンセリングをしているシーンに変わります。
カウンセリング自体は、遥風自体が興した会社の事業の教育となっていますが、この教育自体に問題をはらんでいることが指摘されます。
主人公は、遥風ではありますが、そこから、母親の他界により、実家で暮らす家族と独立して生活している遥風との間の温度差が見えてきます。
兄の拓示は、ほぼニートであり、特に何もしていなかったり、もうひとりの兄の啓介は、雑貨スーパーを営んでいるということに固執しており、姉も姉で興味を抱こうとしないところで、バラバラなところが垣間見えてきます。
姉は農業をしており、ある程度安定感がありますが、拓示自体は無職でもあるので、ジャンク品を修理してせどりを行うことで徐々に売上を上げていきますが、コンサルをしている人がちょっと怪しい感じもあり、なんとなく先の展開も不穏さを感じます。
遥風自身は、過去に起業をして成功しているところもあるので、見返すために再挑戦を画策していきます。
4人の兄弟がそれぞれ前に進もうとしていく姿が描かれて行きますが、そこには考えや資金の都合もあり、徐々に不和も起こり、拓示のせどりの仕事も結局詐欺まがいなところがあり、やりきれないところがああります。
最終的に実家はきれいに引き払うことになりますが、序盤で出てきたシーンにつながっていきます。
「わたしの見ている世界が全て」という題名が興味深く、主人公の遥風が兄弟の中でもまだまとものように思えますが、それそれの兄妹の立場からみてみると、この題名である理由がピンときます。
「その先の言葉を私は探し続けた・・・」
82分でキレイにまとまった作品でもあり、どのキャラクターの言い分もあり、それが正しくも間違ってもいるところはあります。
ですが、家族と兄弟を通じてなにか代えがたいものを見つけるきっかけになったのかな?とも思える作品です。
予告編
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