作品紹介
【監督】クリストファー・マッカリー
【出演】トム・クルーズ/ヴィング・レイムス/サイモン・ペッグ/レベッカ・ファーガソン/ヴァネッサ・カービー/ヘイリー・アトウェル/ポム・クレメンティエフ/シェー・ウィガム/イーサイ・モラレス/ヘンリー・ツェニー/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 イーサン・ハントは、CIAの組織IMFのエージェント。様々な任務をこなしてきていますが、今回は、全人類を脅かす兵器の探索を行う。
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本作が2部作に変更になった弊害
クリストファー・マッカリー監督は、1992年にブライアン・シンガー監督に脚本執筆を依頼され、『パブリック・アクセス』の脚本を手掛け高い評価を得ています。その後、1995年『ユージュアル・サスペクツ』でも脚本を手掛け、非常に巧妙なトリックのストーリーで、「過去最高の映画1000」や「最高の映画脚本101」に選ばれています。2000年「誘拐犯」で監督デビューをし、その後、2012年「アウトロー」でトム・クルーズの作品を手掛けて以降、2015年から「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」と監督しています。
トム・クルーズは、レスリング等のスポーツに熱中をしていたのですが挫折をし、演劇に興味を持ち、1981年「エンドレス・ラブ」で映画初出演後、1983年「卒業白書」で注目をされます。その後、「トップガン」「カクテル」「レインマン」と立て続けに話題作に出演をし、1989年「7月4日に生まれて」でゴールデングローブ賞 主演男優賞受賞しています。1996年「ミッション:インポッシブル」では製作にも関わり、以降人気シリーズにもなっています。アカデミー賞では、助演賞と主演賞にノミネートされたことはありますが、受賞歴はありません。端正な顔立ちで人気も高く、近年はアクション作を多く出演しており、ハリウッドを代表する俳優でもあります。
ミッション:インポッシブルシリーズでは、7作目となる今作は、2部作となっており、今回がPART ONEとなります。続くPART TWOは、2024年公開予定でしたが、ストライキの問題があり、予定が遅れる可能性があります。
様々なアクションをこなしてきているトム・クルーズですが、すでに61歳となっており、危険なスタントをするのにも身体的に大丈夫かなぁと思うところがあります。
物語は、IMFのエージェントの主人公が、全世界を脅かす兵器をめぐり、活躍していくストーリーです。
序盤から、潜水艦同士の戦闘が描かれますが、オープニングシークエンスがちょっと長いです。
いつもながらのテーマ曲を観ることで、世界観に入っていけるような気がしますが、今回は、序盤をちょっと引っ張り過ぎているのと、トム・クルーズがでてくるのもちょっとあとになるので、なんとなく物語の内容をスルーしてしまいそうになります。
テーマ曲のオープニングはしっかりと用意されていますが、それまでの展開で、本作の目的とミッションが大体分かります。
要は2つの鍵を入手することが今回の目的ですが、その鍵を巡って複数の勢力が暗躍していく中を、イーサンが活動していく展開です。
163分の内容のうち、かなりの割合がアクションシーンとなっていますが、アクションと物語のバランスの問題なのか、面白いのは面白いのですが、ちょっと食傷気味にもなる展開です。
今回は、「エンティティ」と呼ばれるAIが登場しますが、字幕では「それ」と訳される場合もあるので、ちょっと字幕だけでは、意味がわかりにくいところもあります。
序盤まではスパイ要素はあるのですが、中盤以降は、どちらかといえば、普通のアクション映画であり、スパイ道具などを駆使してミッションを達成するというよりも、トム・クルーズのスタントに比重が置かれているところはちょっと残念です。
ちょっと他人よりも身体能力が優れたスパイで、スパイ道具を駆使することで、苦難を乗り越える的なところが魅力のシリーズですが、本作は、ちょっと「M:I-2 」的なアクション寄りなところがあり、小道具的な楽しみが少ないです。ただし、スローモーションを多用する演出ではないので、さほど観ていてツラくはないです。
スパイ小道具的なところは、ベンジーとルーサーが担っているところとなりますが、イーサン自体ももうちょっとスマートなスパイとして活躍してほしかったところはあります。
役柄的には変装が得意というところのイーサンですが、もうちょっと見せ場が欲しかった気がします。
なお、ミッション・インポッシブルでの個人的ベスト変装は、M:i:IIIでのデイヴィアンへの変装かと思っています。悪役としても、デイヴィアンが一番良かった気もします。
終盤の列車のシーンは、多少辻褄の合わないところがありますが、本作が2部作に変更になった弊害なのかもしれません。
前作「フォールアウト」からの登場人物もいるため、前作から引き続いて観るのも良いです。なお、本作だけでも物語は理解できます。
続くPART 2は2024年の公開予定ですが、ハリウッドでのストライキ問題もあり、遅れる可能性もあります。
PART 2はもうちょっとスパイ要素があると良いのですが、というか、隠密行動にならない作戦には、ミッションの大味感を感じるので、スパイアクション的なところに立ち返ってほしい気もします。
予告編
ミッション:インポッシブル/ ゴースト・プロトコル (字幕版)