作品紹介
【監督】マイケル・サルノスキ
【出演】ニコラス・ケイジ/アレックス・ウルフ/アダム・アーキン/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 ロブは、オレゴンの山奥に住む孤独な男。彼は忠実なトリュフハンターの豚とともにトリュフを採って生活をしていた。ある日、その相棒の豚が何者かに奪われてしまう。
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演技派のニコラス・ケイジを堪能する作品
マイケル・サルノスキ監督は、アメリカの監督で、短編ドキュメンタリー作品を制作した後、2021年「ピッグ」で監督デビューをしています。その後も「クワイエット・プレイス」の続編の監督オファーを得ており、今後に期待のできる監督です。
ニコラス・ケイジは、叔父にフランシス・フォード・コッポラを持ち、1981年『初体験/リッジモント・ハイ』で映画デビューをしています。1995年『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を受賞し、超大作から芸術作品まで、さまざまな作品に出演している一癖も二癖もある独特な名優です。
物語は、主人公と一緒に暮らしていたトリュフハンターの豚が何者かにさらわれてしまい、相棒を取り戻すために、手がかりを追っていくストーリーです。
序盤からトリュフを探すロブのシーンから始まります。
ともにトリュフを探す豚とロブのコンビが描かれ、お互いの深い関係性がわかります。
ある晩に、相棒の豚が何者かに連れされられてしまい、大事な相棒を失ってしまうところから、本作の物語始まっていきます。
登場人物も限られているので、非常にわかりやすい相関となりますが、それよりも、主人公がニコラス・ケイジが演じていることがちょっとわからないくらいに風貌がいままでのニコラス・ケイジとは異なります。
豚を盗んだ犯人を探していくストーリーですが、トリュフを引き取ってくれるバイヤーとロブがともに犯人を探していきます。
厭世的な生活をしていたロブですが、意外にも犯人探しの行動力と捜査力は凄いです。
このあたりは、演じているがニコラス・ケイジだからというところもある程度説得力があります。
いちいち画面が暗いので、もう少しライティングを考えて撮影してほしかった気もします。
「あのブタがいなけりゃ、あんたは価値なしだ」
確かにそうなのかもしれないのですが、それだけで終わるようなロブではない、なにかしらの凄さを感じます。
「あんた、なにもんだ」
とあることをして、さらなる手がかりを得ますが、そこで第一章が終わり、PART TWOとして「ママのフレンチトーストとホタテ貝の創作料理」という副題の章がはじまります。
「本物じゃない、わかるだろ、何もかも」
レストランのシェフに話すロブの言っていることは、非常に真理を得ていると思います。
「俺の豚を返せ」
豚を盗んだ黒幕は中盤でわかりますが、その世界の手のひらの上のような話にはちょっと愕然とするのはとてもわかります。
とはいえ、本作は、ニコラス・ケイジが突然豹変して、相手の頭をかち割ったり、無双するほど強いとかという設定ではないです。
「じゃあ、なんで豚にこだわってた?」
ここでの答えはすでに想像つきますが、そういうことです。
PART THREEは「鶏料理 ワイン 塩味のバゲット」です。なお、PART ONEは、「田舎風マッシュルーム・タルト」です。いずれも、物語の展開に密接に関わっている題名です。
豚を奪っていった犯人との決着はつきますが、実は、釈然としないようなまとめ方でもあります。
派手なアクションがあるわけでもなく、淡々と物語が描かれていく内容ですが、主人公の悲しみと愛情がひしひしと伝わる作品で、じっくりと観ていくという作品であり、演技派のニコラス・ケイジを堪能する作品です。