【日本映画】「神田川のふたり〔2022〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】/内藤光祐//たきみずなお/
【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】高校2年生の舞と智樹は、中学時代の同級生の葬儀に参列し、その帰りに出会い、神田川を自転車で走りますが、自転車が盗まれ、そして、その葬儀をしていた神田の片思いだったみおさんに思いを伝えにいく。

神田川のふたり

神田川のふたり

上大迫祐希, 平井亜門
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「うわ、そうだったのか」

いまおかしんじ監督は、ピンク映画で助監督を務め、1995年『彗星まち』で監督デビューをしています。その後、ピンク映画界では「ピンク七福神」にも数えられ、非常に多くの作品を制作しています。

上大迫祐希は、鹿児島出身の女優で、2021年「スパゲティコード・ラブ」で映画デビューをしています。その後、舞台や映画、テレビに出演しており、今後に期待できる女優です。

平井亜門は、2017年にsmartモデルオーディションでグランプリを受賞しています。映画初出演は、2017年「PとJK」で、その後、「36.8℃ サンジュウロクドハチブ」「左様なら」など、に出演しています。テレビドラマや舞台でも活躍しており、ミュージシャンとしても活動する多彩な俳優です。

物語は、お互いに気になっている高校生の男女が、中学時代の友人の葬儀の帰りに、そのクラスメイトの片思いの相手に気持ちを代弁しにいくストーリーです。

序盤から神田川の橋にいる智樹が描かれ、そこから、舞とその友達が登場し、智樹に話かけるところから始まります。そこからすぐに、舞と智樹の2人のシーンが続きます。

状況を説明するところとして、クラスメイトの葬儀の後だということがわかります。しれっとワンカットで延々描いているようなそんな自然な感じでの撮影感があります。

自転車で並走しているシーンの長回しは、マジでスゴイです。というか、序盤の40分がほぼワンカットで撮影されています。

自転車を止めてから、ちょっと演出が特殊であり、コンビニ自体は、存在していませんが、舞台演出のような感じでコンビニが描かれます。この演出はさすがに意表をつかれます。

本作は、普通の作品に見えて、実は演劇的なアプローチで作られています。

たった数10分だけで、本作の魅力が分かる人にはすぐにこの世界観に入り込めます。

神田川沿いを自転車で進んでいくだけの物語ですが、お互いに気を持っている同士が過ごす時間ということで、この何気ない行動がむしろ貴重な感じもします。

会話自体も他愛無い感じでもありますが、「好きだ、嫌いだ」という関わりあいではなく、本当に他愛のないところに、本作のナチュラルな面白さがあります。

オレンジのジャージを着た男が登場してから、物語の展開にちょっと変化が出てきます。

とはいえ、ここまででもまだ、序盤でしかありません。

本作は、東京都杉並区永福町の幸福橋から始まり、そこから下流へ下っていきますが、塚山橋から再びもと来た道へ戻ります。

お参りをする神社は、下高井戸八幡神社になりますが、ここでも黒子が登場し、ちょっと演劇的な感じがします。

「神田の気持ち、みおさんに伝えてあげたらいいんじゃないかな」

「じゃあわたし帰るね、帰る。」

カラオケボックスで一晩を過ごしますが、

さすがに、団子は食べないかなぁと思いますが、食べているところにちょっと違和感を感じます。

思えば、本作は普通の作品ではなく演出的にちょっと意味合いが違うところは多々あるのかと思います。

死んでしまった友人の神田のために2人は井の頭公園のみおさんに気持ちを伝えに行きますが、

なさいちょっと記憶にないかなぁ、ヒヒーン」

この演出も多分、演劇的なところであります。

「俺、舞が好きだ」

これ、確定事項が揃っているからそこ、返答はわかっていての告白なんだと思います。そのあとの演出もすごいです。

やはり本作の演出がポイントでこの終盤と、この締めくくりがあるわけです。

この最後の登場する人物は、「うわ、そうだったのか」と思います。

83分の作品ではありますが、構成がとても素晴らしい作品かと思います。

予告編

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