【日本映画】「やがて海へと届く〔2022〕」★★★☆☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 真奈は引っ込み思案で自分をうまく出すことができない女性。ある日、自由奔放なすみれという女性に出会う。真奈とすみれは親友になるが、ある日、一人旅にでたまま、すみれは行方不明となる。

やがて海へと届く

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絶妙に演出された作風として、よくできた作品

中川龍太郎監督は、高校在学中に詩集を出版、その後大学では映画製作を始め、2012年「Calling」でボストン国際映画祭の最優秀撮影賞受賞する。その後、『愛の小さな歴史』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』など、世界的に評価される作品を送り出しています。

岸井ゆきのは、TVドラマを皮切りに多数の映像作品に出演し、2018年連続テレビ小説『まんぷく』で初主演をしています。

浜辺美波は、東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞、その後多数の映画に出演し、『君の膵臓をたべたい』で話題となりました。

原作は、2016年に彩瀬まるが書いた小説です。

物語は、引っ込み思案の主人公が、すみれという女性に出会い、親友となるも、ある日、一人旅に出たすみれが失踪し、5年後、すみれのかつての恋人からビデオカメラを受け取り、すみれの秘密を知っていくストーリーです。

序盤から、アニメが描かれますが、本作のイメージとなるところです。

このイメージが本作の印象ともなりますが、すべてのことを説明してくれているわけではなく、映像や状況を読み取る必要があります。

このあたりは、中川龍太郎監督の作家性のところかと思います。

そこから、真奈の普段の生活となりますが、すみれの形見分けに向かうが、そこで、過去のすみれとであうシーンに回想していきます。

本作は、真奈とすみれの物語ですが、周囲の状況にどうも馴染めない真奈がすみれと出会うことで少しずつ何かが変わっていく展開となっていきます。

大学で真奈とすみれは出会います。友達と出かけ、家に泊めるということでその親密さが深まっていきますが、すみれ演じる浜辺美波のどこか引っ張ってくれる感じが、真奈にとって巻き込まれ型な印象があります。

「とっても似合ってる、ありがとう」

現在と過去を交互に描いていき、真奈とすみれの関係を紐解いていく流れです。

真奈の勤めているレストランでの出来事で、とある人が亡くなりますが、そのことで真奈の心情がきっちりと描かれています。

そんなところを考えると、残ったCDにはなにか明確な意図を感じます。

中盤、ちょっと流れがわからない感じのする演出となりますが、大事な人を亡くすというところをどこかに示しておきたかったのかと思います。

東日本大震災の津波についての爪痕を所々に描いており、それが、中盤以降に盛り込まれてます。

細かいことが描かれないながらも、真奈の視点で描かれていくところでもあり、登場人物と時間軸を見失わないようにすれば、特にわからないことはないストーリー展開になっています。

本作は、真奈とすみれの物語のように見えて、じつは、それだけではない物語であることがわかります。

すべてを説明してくれるということを期待して映画を観る人にはおすすめしずらい作品ですが、絶妙に演出された作風として、よくできた作品かと思います。

なんとも言えない感じを残してくれる作品でもあります。

予告編

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