作品紹介
【監督】リドリー・スコット
【出演】レディー・ガガ/アダム・ドライバー/ジャレッド・レト/ジェレミー・アイアンズ/サルマ・ハエック/アル・パチーノ/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】1995年3月27日、GUCCIの三代目社長マウリツィオがミラノの街で撃たれてしまう。犯人を捜査していく中で、犯行を計画した人物が明かされる。
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史実に基づいているところもあり、興味深く鑑賞できる作品
リドリー・スコット監督は、学生時代にグラフィックデザインを学び、その後、ドキュメンタリーやTVドラマを制作、独立後には、CFを手掛け、1977年『デュエリスト/決闘者』で長編映画監督デビューをしています。1984年にAppleの「Macintosh」のCM「1984」を手掛け、そのCMの完成度が高いことで、今でも語られる作品となっています。
レディー・ガガは、2008年のファーストアルバム「ザ・フェイム」のヒットで一躍有名となり、奇抜なファッションとパフォーマンスで人気のあるミュージシャンです。
アダム・ドライバーは、2012年よりテレビドラマで活躍し、2013年『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』に出演、『ハングリー・ハーツ』では主演を演じ評判となります。その後、2015年『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でカイロ・レン役として知名度を上げ、2018年『ブラック・クランズマン』では第91回アカデミー賞助演男優賞に初ノミネートされている実力ある俳優です。
物語は、世界的に有名なブランドGUCCIの創業者一族の崩壊を描いた作品。
一族の経営を行っていたGUCCIのブランド内で、株や経営を巡った争いがあり、その中でマフィアによって暗殺された3代目社長の事件を発端とした展開です。
序盤より、マウリツィオ・グッチ演じるアダム・ドライバーが自転車で街の中を走るシーンから始まり、重要なシーンでタイトルバックとなります。
さらに1978年に時代が変わり、パトリツィアが登場します。
トラック会社の娘でもあるパトリツィアは、マウリツィオ・グッチと出会います。
「もっと楽しいわよ」
レディ・ガガ演じるパトリツィアは、この目ヂカラと雰囲気から、とてもいい女性に思います。
パーティ以後のパトリツィアのアプローチはとても策略家な感じもしますが、ここが布石なのかもしれません。
「わたしをデートに誘わないの?」
パトリツィアは美術品に対しての造詣がないところに絶妙な隙きがあり、マウリツィオの父親との会食でもその社会的階級の違いがなんとなく醸し出されるのですが、ここにも本作のポイントがあります。
中盤より、パトリツィアは徐々にかわってきます。
GUCCIの一族であるマウリツィオをどう捉えていくかでGUCCIとの関係性が変わってくるところになります。
ここから、本作が面白くなってきます。
「ご主人はどこのGUCCIで買ったの?」
「なんのゲームをしている?」
GUCCIを支配していこうとするパトリツィアはまさにその考えが見え透いたところとなってきます。
なお、実際のパトリツィアとレディガガの風貌はちょっと似ています。パトリツィアに寄せたと言ったほうが良いでしょう。
「ちがう、GUCCIと結婚した」
本作の主役は、パトリツィアでありながらも、決して中心にいる人物というわけでもなく、一族と阻害されているような印象もあり、そのための感情として、終盤の展開となっていくとも思えます。
終盤で、序盤のシーンに結びつくところで本作が締めくくられていきます。
その後、パトリツィアやその他の一族のその後が語られます。
GUCCI一族とそのブランドについての物語ですが、意外と詳しく知る人も少ないと思います。脚色はあると思いますが、史実に基づいているところもあり、興味深く鑑賞できる作品かと思います。
予告編
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