Warning: Undefined property: stdClass::$Offers in /home/flatlens/6kajo.com/public_html/wp-content/plugins/wp-associate-post-r2/classes/class-amazon.php on line 159
Warning: Attempt to read property "Summaries" on null in /home/flatlens/6kajo.com/public_html/wp-content/plugins/wp-associate-post-r2/classes/class-amazon.php on line 159
作品紹介
【監督】坂下雄一郎
【出演】窪田正孝/宮沢りえ/赤楚衛二/内田慈/小市慢太郎/音尾琢真/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 谷村勉は、とある地方都市で強い地盤を持つ衆議院議員の川島昌平の私設秘書。ある日、川村が病に倒れてしまったことで、その後任として娘の有美が議員となり活動を開始するが、政治の世界をよく知らない有美は、様々な問題を起こしていく。
サブスクで観る
政治活動のハウトゥを描きながら、そこにある矛盾するような妙な価値観をコメディとしている佳作
坂下雄一郎監督は、学生時代から映画に関わる仕事をし、2010年「実家に帰ろう」で映画監督デビューをしています。2011年「ビートルズ」では、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて北海道知事賞を受賞し、以降コンスタントに映画やテレビなどの作品を手掛けている監督です。
窪田正孝は、オーディションに合格し、芸能界入りをし、2006年『チェケラッチョ!! in TOKYO』でテレビ初主演でデビューしています。その後、2008年『ケータイ捜査官7』で主役となり、様々な監督と仕事をし、徐々に評価を上げ、テレビや映画と活躍している俳優です。
宮沢りえは、11歳でモデルデビューをし、徐々に人気を得て、ドラマや映画で活躍をし、18歳のときに発売した写真集「Santa Fe」でも話題となりますが、婚約問題や母親との関係、マスコミのバッシングなどから活動休止となるも、2002年『たそがれ清兵衛』で落ち着いた演技をみせ、本格女優として活躍をしています。
物語は、地方都市の衆議院議員の私設秘書として働く主人公が、議員が病に倒れたことがきっかけで後任となった娘に翻弄されながらも彼女を当選に導いていくストーリーです。
序盤から主人公の谷村が衆議院議員の世話をする姿が描かれます。
秘書として活躍しますが、議員の川島が病に倒れたことで、娘の有美が政治家として活動していくことになり、それをサポートしていくことになります。
「いやぁ、正直余裕っすね」
有力な政治家の代役として娘が活動をしていきますが、色々とやらかすような発言や行動を起こしていきます。
実際にこういう政治家がいたような気もしますが、そこも含めてコメディでもあります。
「漢字が読めない」「生活レベルを考えない」「振る舞いが妙に天然」と、やってはイケナイことばかりを描いていく点は普通にコメディです。
「こうやって困難を乗り越えていくんですよ」
利益供与を無意識に行ったりと政治家がおこなってはいけないようなところをシレッとやってしまうところも、二代目政治家を揶揄っているようにも思われます。
演出として、感情移入の先は、秘書の谷村になるような描き方なので、有美の行動の根拠が見えない点については、とてもコメディとしてわかりやすいところとなっています。
前向きな人物のように見えますが、中身が空っぽすぎるところがこれまたコメディです。
講演会の人や秘書が振り回されるところは、コメディではありながらも事実っぽいところもあり、この点もコメディです。
「なんで他人事なんですか?」
政治家活動のなかで、そこで働くスタッフは、議員が選挙に当選することで仕事となるという視点があり、人物像や政治思想よりも、まずは当選をするということに執着しているところがあり、それ以外のことについては、政治的な点であっても、無関心な点もあり、穏便に当選できるような人物を育てていくという割り切り感を感じます。
この信念の屈折したような感じもコメディではあります。
「だからって屋上に行かなくても」
当事者と傍観者の温度差があるところもコメディです。
当選に追い込むというよりも落選を狙っていくことにシフトしたことが、だんだんと世論が変わっていき、むしろ支持者が増えていくところもコメディです。
淡々と普通にドラマを描いていますが、傍若無人な人物を中心として、周囲が悟った感覚であしらいながら、そつなくこなすというところがコメディとなる構造なので、シニカルな笑いが延々と続いていく展開です。
政治ということを題材としていますが、難しい表現は非常に少なく、むしろ政治活動のハウトゥを描きながら、そこにある矛盾するような妙な価値観をコメディとしている佳作かと思います。