作品紹介
【監督】三木孝浩
【原作】咲坂伊緒
【出演】浜辺美波/北村匠海/福本莉子/赤楚衛二/上村海成/三船海斗/古川雄輝/戸田菜穂/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 朱里は、親の再婚で義理の弟となった理央と暮らしている。学校の友人の由奈と由奈の幼馴染の和臣の4人のアオハルを描いた物語。
サブスクで観る
恥ずかしさもありますが、あくまで映画なので、その辺を楽しみながら観るのが良いと思います
三木孝浩監督は、PVやCMの制作を行い、2010年『ソラニン』で、長編初監督作品としてデビューをしています。廣木隆一、新城毅彦とともに「胸キュン映画三巨匠」とも呼ばれています。
浜辺美波は、東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞、その後多数の映画に出演し、『君の膵臓をたべたい』で話題となりました。
北村匠海は、もともと、ダンスロックバンドDISH//で活動をしていましたが、役者としての活動も増やしてきてしています。
物語は、同級生の4人の男女の学園生活を描きながら、それぞれの恋模様を描いたストーリーです。
設定としてはある程度、王道感がありますが、この妙なギクシャク感が起こりやすい状態は、まさしく少女漫画的とも言えます。
登場しているスマートフォンは、iPhone SE(第1世代)ですが、ケースをつけていない状態で落とすのはさすがにもったいないなぁとは思います。
他の登場人物も使用しているiPhoneが妙にiPhone 7っぽかったりしており、2020年に観る限りでは、ちょっと旧機種を使っている点は否めません。
浜辺美波は、肩の華奢なところと肩を使った愛嬌の出し方にはズルいを通り越してもう持ち芸でしかないのかと思います。
映画の作品がちょいちょい出てきますが、「マッドマックス 怒りのデスロード」や「ラブ・アクチュアリー」、「ボーンアイデンティティ」「アバウト・タイム 愛おしい時間」とメジャーな作品が多いので、個人的に多少趣味が合わないかもしれません。
ただし、「アバウト・タイム 愛おしい時間」はちょっと観たいと思ってしまいました。
舞台は、神戸周辺となっており、明確な地名は出てきませんが、ロケ地は公式サイトでも紹介されています。
朱里と理央のキスシーンは、こういうシチュエーションでの展開というので、やはり胸キュンに近いところはあるのでしょうか、布石はあったとはいえ、突然感もあり、なかなか思い切ったところはあります。
なお、本作でのキスシーンは、浜辺美波自身のファーストキスということですが、実際に本当であれば、それはそれでまた思い切ったコメントな気もします。
中盤での朱里の恋愛アプローチにはなかなかグイグイ来るところがあり、この緩急にはグッと来るところがあります。
要所要所で遠目から見つめられているシーンが写り、こういう要素が含まれているので、擬似的に観ている側が見られているという錯覚があります。
この誘導はさすが「胸キュン映画三巨匠」の三木孝浩監督の演出かと思います。
「そっか、私、羨ましかったんだ、自分の気持ちに真っすぐ走っていく彼女が。」
そんな中、男女二人でだけで行う鬼ごっこなどなど、現実にはありえないようなところをサラッと臆面もなくやってしまうところもまた、本作の魅力でもあります。
中盤以降は、その朱里のグイグイ来るところの裏の部分を描いていくところにもなり、登場人物の4人の関係性が相互に働き始めるところになります。
家族の関係性も描かれてくるのですが、特に明示されるセリフは少なく、状況を描くことで理解を促す演出になります。
「後付でさ、自分ができない理由探すのだけはみんな得意だよね。」
「いっつもさ、いちばん大事なときに言わないで、ことが過ぎてから言うよな、お前って」
「ここじゃないどこかは、ちゃんとあるんだ、山本さんが教えてくれた。」
この4人の関係性がどうなるのかは観てもらえればよいのですが、しっかりともやもやせずに着地をするので、安心して観られます。
エンディングは、Official髭男dism『115万キロのフィルム』となりますが、歌詞を見る限り、本作の当て書きのような曲でもあります。
浜辺美波の魅力はしっかりと詰まっており、北村匠海のクールさもあり、恥ずかしさもありますが、あくまで映画なので、その辺を楽しみながら観るのが良いと思います。