【監督】平川雄一朗
【出演】山田涼介/芳根京子/泉里香/櫻井淳子/戸田菜穂/ブラザー・トム/濱田龍臣/佐生雪/須藤理彩/杉本哲太/佐々木すみ江/田中泯/蓮佛美沙子/佐々木蔵之/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 遼一は、大学に通う大学生。年上の恋人 杏子にプロポーズをするが数日後に再会した彼女の記憶は失われていた。都市伝説として噂のある記憶屋という人の存在を知る。
記憶を主題にした物語ではありますが、ヒネリも少なくわかりやすい流れではありますので、サラッと観られる作品
・平川雄一朗監督は、テレビ制作の演出に関わり、2003年『Stand Up!!』で初演出をし、2007年『そのときは彼によろしく』で初映画監督としてデビューしています。
・山田涼介は、2004年にジャニーズ事務所に入所し、2006年『探偵学園Q』でドラマ出演しています。その後2007年にHey! Say! JUMPのメンバーとしてデビューしています。2015年『暗殺教室』で映画に初主演をし、第39回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しています。
・芳根京子は、2013年『ラスト?シンデレラ』で女優デビューをし、2014年「物置のピアノ」で映画初出演にして初主演しています。
・本作は、第22回日本ホラー小説大賞で読者賞を受賞した織守きょうやの小説となっています。
・エンディングテーマは、中島みゆき「時代」となりますが、この曲は、中島みゆきが23歳のときに発表した曲であり、歌詞の内容を考えても、かなりな才能とわかります。
・物語は、主人公が恋人にプロポーズするも、数日後に彼女の記憶が一切なく、記憶屋という都市伝説のために記憶が消えてしまったことで、その記憶屋の秘密を解き明かしていくストーリーです。
・序盤は主人公の周辺を描いた内容で、設定がわかりやすくなっています。
・彼女の記憶から自分の存在が全くない状況となり、そのミステリー要素が本作の序盤のツカミとなります。
・記憶の断片が一切なくなってしまうのは記憶喪失という流れではなく、記憶屋による記憶の消去という現象ということが分かり始めます。
・記憶屋自体は都市伝説でもあり、実在するのかどうかという点も不明の中、記憶屋を探し出し彼女の記憶を取り戻す展開となってきます。
・この部分は、ミステリーの様なサスペンスの様な展開となっており、記憶屋がなんなのかを追いかけていく点は、本作にポスターの印象とはちょっと異なる展開となっています。
・主人公の周辺で記憶屋の仕業である現象が起こり始め、ミニマムな環境で起こる現象になんとなく記憶屋の存在の予測がつきます。
・多少矛盾する様な言動はありますが、広島へ向かう人が違う人であれば、展開ももう少し変わっていたのかもしれません。
・「俺たちはまだ生きてんだから」
・中盤から、演出に意味深なシーンが挿入されるようなところがあり、本作はラブストーリーという要素ではなく、ホラー要素のある作品となってきます。
・ただし、その要素について、誰がどんな目的でどうなっているのかが読みにくいところがあり、サスペンス的な要素もあります。
・中盤以降で記憶屋についての状況がわかりますが、本作は、それが重要な要素ではなく、その記憶屋の行為がなぜ行われているかにシフトし始めます。
・「好きな人から自分の存在が消えるってつらいね。」
・まとめ方的には、なんとなく煙に巻かれた感じがありますが、記憶屋の行動を思えば、なかなか説明しにくいところになるのにはよくわかります。
・多少現実離れした様なストーリーでもありますが、そもそも都市伝説と考えれば、創作物語として良いのかと思います。
・記憶を主題にした物語ではありますが、ヒネリも少なくわかりやすい流れではありますので、サラッと観られる作品ではあります。