作品紹介
【監督】フランシス・アナン
【出演】ダニエル・ラドクリフ/ダニエル・ウェバー/イアン・ハート/マーク・レナード・ウィンター/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】1970年代の南アフリカでのアパルトヘイトに反対して、白人青年のティムとスティーブンは投獄される。2人は、そこから脱獄を考え、様々な方法を考えるが、最高警備を誇る刑務所から脱獄するには一筋縄ではいかないことがわかり、木片から鍵を作り正面から脱獄をしようと計画する。
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一風変わった作品で、今までと異なる魅力を醸し出すダニエル・ラドクリフの出演作品は、今後も注目
フランシス・アナン監督は、イギリス生まれの映画監督で、2012年「Going Up」2014年「The Longest Drive」で知られている監督です。
ダニエル・ラドクリフは、協調運動障害を抱えており、そのために周囲と馴染めないところから、俳優を目指すようになり、1999年『デビッド・コパーフィールド』でテレビドラマデビューをしています。その後、『ハリー・ポッターと賢者の石』のスタッフがたまたま見かけたラドクリフにオーディション参加を打診し、見事、主役として出演しています。2001年から2011年までのハリー・ポッターの全8作品に出演し、その後は、一風変わった役の作品に多く出演しており、ハリー・ポッターのイメージを払拭していくかのような活躍をしています。
本作は、ティム・ジェンキンの衝撃の自伝『脱獄』が原作となっている実話に近い物語です。
物語は、アパルトヘイトに反対した白人青年の2人が、そこから脱獄をするために、あらゆる手段を考えるが、最終的に鍵を複製し、正面から脱獄をしようと企てるストーリーです。
序盤は、ティムとスティーブンがとある計画を実行するシーンが描かれます。
反アパルトヘイト組織「アフリカ民族会議」の行動としてのことですが、結果的に逮捕され、懲役12年と8年と言い渡され、刑務所に投獄されます。
主役は、ダニエル・ラドクリフということで、誰しもが知っている「ハリーポッター」役の人ですが、ハリーポッター完結以後は、髭面でイメージを大幅に変える風雨棒としており、出演する作品も、一癖ある役を行っており、役者としてのキャリアを着実に積み上げていると思います。
刑務所では何重もの扉で警備がされているのでその扉から出ていくことはできないのですが、逆にその扉から脱出を考えるあたりが、本作のティムのいい意味でのイカレタところかと思います。
はじめから脱獄をしようと考えているところがあり、お金を体内に隠したり、脱獄にあたり、周囲を調べるところは、よくある刑務所映画なところがあります。
すでに先に投獄されている仲間がおり、助言をもらうものの、模範囚としての釈放を目指しているところから、脱獄とは縁遠いために、独自で脱獄方法を考えていきます。
最終的には扉を開ける鍵を木片で作るという手法を編み出しますが、1970年という時代背景だからこそ、鍵も淡白な形状であり、その鍵の複製が容易であるというところがあります。
鍵を見てひたすら模造していくところでの、ティムの目つきと顔はかなりイッており、この感じはダニエル・ラドクリフだからこその感じがあります。
本作は、囚人たち同士の争いやそのいじめなどが描かれず、むしろ、脱獄をすることを主軸に描かれるので、ダニエル・ラドクリフのイッている感が面白いです。
中盤、脱獄を決行しますが、木でできた鍵という点では、折れてしまうというハラハラ感と、見つからずに鍵が使えるか確認していくというところには、とても緊張感があります。何度か引き返すのですが、404日間鍵を使って移動しながらも、バレていないところはサラッと台詞だけで説明されていますが、これはこれですごい展開なのかもしれません。
15個の扉を開けるために39個の鍵を作り上げるわけですが、かなり大胆不敵なところがあるように思います。
床を通じて隣の部屋に手紙を渡す手段も、シレッと写りますが、この仕組みを考えて道具を作ったおはすごいとは思います。
終盤でしっかりと脱獄をしますが、脱獄をするために一つ一つ扉をあけていきますが、この緊張感は結構ドキドキします。
今までの脱獄映画とは異なり、脱獄の方法が今までにないものだけに、この最後の喜びは諦めない心だったようにもおもいます。
一風変わった作品で、今までと異なる魅力を醸し出すダニエル・ラドクリフの出演作品は、今後も注目できるように思います。