【監督】二宮健
【出演】北村匠海/山本舞香/伊藤健太郎/加藤諒/浅香航大/栗原類/前原滉/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】渋谷の老舗とんかつ屋の3代目・アゲ太郎は、配達で訪れたクラブで苑子と出会う。それを機にDJのプレイに感化され、そして、苑子の気持ちを惹くためにDJととんかつ職人の道を目指す。
終盤のDJプレイは、曲の構成が良くこのシーンは必見です。むしろこのシーンを観ればほかは要らない
・二宮健監督は、自主映画「SLUM-POLIS」をきっかけに、「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ」で商業映画にデビューした27歳の監督です。
・北村匠海は、もともと、ダンスロックバンドDISH//で活動をしていましたが、役者としての活動も増やしてきてしています。
・山本舞香は、三井のリハウス第14代目リハウスガールに選ばれ、雑誌『ニコラ』の専属モデルとして活躍しています。その後、2012年「ホウキノクニカラ」で映画初出演、2016年『桜ノ雨』で、劇場用映画初主演をし、着々とキャリアを重ねています。
・イーピャオと小山ゆうじろうの人気ギャグ漫画が原作となっており、今回は実写映画化となっています。
・2014年から『少年ジャンプ+』で連載されており、第一巻はWebコミックとして発行され2017年の完結までに、全11巻のコミックとなっています。
・Web媒体を利用したデジタルコミックというジャンルではさまざまな波及は起こり、デジタルコミック初期のヒット作となっています。
・2016年にはアニメ化もされています。
・基本はギャグ漫画でもあり、このコミック的要素が映画に取り込まれているのかと思います。
・物語は、とんかつ屋に勤める主人公が、DJの魅力に惹かれ、とんかつも揚げ、フロアもアゲられるDJを目指すストーリーです。
・主人公がクラブに訪問したことがきっかけで、DJの魅力に取り憑かれます。そこから、カルチャーギャップを折り込みながら、ギャグのような展開となっていきます。
・「このままだと俺、キャベツ太郎になっちゃいます。」
・実はとんかつとフロアを上げつつも、踊れるDJでもあり、意外とダンスが上手いところがあります。
・全体的にアゲ太郎を中心に描かれ、とんかつを揚げるという要素とDJによりフロアをアゲるという要素は、題名がすべてを表しており、この韻を踏んだことで、作品は成立していると思います。
・苦悩や挫折も描かれ、あくまでコメディに徹しているところはありますが、アゲ太郎自身は至極真面目なギャップもポイントになっています
・そのギャップが下敷きとなるので、なんでもアリな印象も漂わせています。
・必見となってくるのは終盤に向けての流れで、音楽とアレンジの効かせ方は、コミックでは表現できない映画だからこその演出でもあります。
・「とんかつビートをアゲてやるぜ」
・終盤のDJプレイは、曲の構成が良くこのシーンは必見です。むしろこのシーンを観ればほかは要らないのかもしれません。
・ベリンダ・カーライルが使われますが、コレも一癖ある名曲でもあり、このエッセンスが中盤からの布石も回収しておりカタルシスを感じます。
・Juicy & Crispyの選曲も心地よく、曲の題名と作品の題名のリンクの仕方が良いです。
・題名にインパクトがあり、語感も良いので、ついつい口に出したくなるような題名です。
・最後にとんかつが食べたくなるのは言うまでもありません。