【洋画】「ルクス・エテルナ 永遠の光〔2020〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/フェリックス・マリトー/フレッド・カンビエ/
【個人的評価】

【あらすじ】魔女狩りを描いた映画の撮影現場での、女優と監督とプロデューサーのそれぞれの思惑の末にカオス化していく現場を描いた作品。

ギャスパー・ノエの挑発的な実験作品と考えれば腑に落ちるかと思います

ギャスパー・ノエ監督は、1985年短編映画『Tintarella di luna』で監督デビューをし、1991年『カルネ』でカンヌ国際映画祭の批評家週間賞を受賞し、一躍有名となります。その後、観客を挑発するような問題作を数々と作るフランス映画界の鬼才と呼ばれています。

シャルロット・ゲンズブールは、父親は歌手・音楽プロデューサーのセルジュ・ゲンズブール、母親は女優のジェーン・バーキンという家系に生まれており、1984年『残火』で映画デビューをしています。その後、1986年『なまいきシャルロット』で評価され、その後も『小さな泥棒』『ブッシュ・ド・ノエル』などで様々な映画賞を受賞しております。2009年『アンチクライスト』で第62回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞しています。

ベアトリス・ダルは、モデルとして活躍していましたが、1986年『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』で映画初主演にして、衝撃的な演技で称賛され、女優としてデビューしています。その後、多数の映画に出演しています。

本作は、「様々な個性の複雑性を強調しながら、サンローランを想起させるアーティストの視点を通して現代社会を描く」というコンセプトのアートプロジェクト「SELF」の第4弾となります。なお、第5弾には「監督」が起用されているようです。

2019年カンヌ国際映画祭ではミッドナイトスクリーニング部門で上映されています。

物語は、魔女狩り映画の撮影現場を描いた劇中劇型の物語です。

序盤から、明滅によるてんかん発作のことが表示され、ここ数作行われてきているてんかんを促すような映像効果があることを匂わせています。その後、魔女の火あぶりの話がはじまり、これもまたギャスパー・ノエっぽい鬼畜な印象のある演出があります。そこから、シャルロット・ゲンズブールとベアトリス・ダルの2人の会話がありますが、一人は、誰だろうと思ってはいけません。

ベアトリス・ダルはさすがに若い頃と比べると、別人感があります。面影はありますが・・・。やはり、ベアトリス・ダルはいつまでも「ベティ・ブルー」の印象しかないですし、良い作品でもあったので印象が強いのは仕方ないです。

序盤過ぎで、この作品が映画の撮影前の控室ということがわかり始めます。

左右2画面で構成される演出が使われ、情報量が結構多いのですが、よくよく思うと、51分でまとめられている作品であり、この手法をつかうことで、単純に1/2の時間で情報を観せられるわけです。

中盤以降は、火あぶりのシーンの撮影となりますが、監督とプロデューサーと役者の思惑が交錯していきます。

唐突に出てくる小道具には一瞬気が付きにくいですが、よくよく思えば、かなりな小道具です。ちょっとショックを受けます。そこから撮影現場でのトラブルとなり、てんかんが起こる可能性のある映像が続きます。さらに、音響もトラブルが起こり、放送事故のような状況になりますので、観る際には十分に気をつけたほうが良いです。

特に暗い部屋で観ると確実になにかしらトリップしてしまう可能性があるので、鑑賞には注意が必要です。

本作でのテーマと言う点については、言葉にしづらい気もしますが、ギャスパー・ノエの挑発的な実験作品と考えれば腑に落ちるかと思います。

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