【監督】マルティン・ロセテ
【出演】ブルース・ダーン/カロリーヌ・シロル/シエンナ・ギロリー/ベロニカ・フォルケ/セレーナ・ケネディ/ベン・テンプル/ブライアン・コックス/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 クロードは、妻に先立たれたことで、一人気ままな生活をしている70歳。ある日、昔の恋人である女優のリリィがアルツハイマーのため介護施設に入ったことを知る。リリィに会いたいと思ったクロードは、自らもアルツハイマーのフリをして施設に入り、リリィと再会をする。
自分自身の思い返しを感じるところもあり、観る人によっては印象の変わる作品
・マルティン・ロセテ監督は、学生時代から短編映画を作り始め、2011年「Voice Over」で様々な映画賞で評価を得ています。その後、2016年『カネと詐欺師と男と女』で長編映画デビューをし、評価を得ています。
・ブルース・ダーンは、1960年「荒れ狂う河」で映画初出演をし、その後、1972年『11人のカウボーイ』で主演のジョン・ウェインを殺した悪役として知られています。1982年「栄光の季節」でベルリン国際映画祭男優賞し、2013年『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞しています。娘に女優のローラ・ダーンがいます。
・物語は、主人公の老人が、一人気ままに生活を送っていましたが、ある日、昔の恋人がアルツハイマーで施設に入所したことを知り、もう一度会うために、自らもアルツハイマーを偽って施設に入り、再会をするストーリーです。
・オープニングですが、アニメーションと音楽が良く、名作な感じもする優しいオープニングです。
・出てくる人物の多くは、老人が多く、若い人はあまり出てきませんが、中盤で、若い頃の話も出てきます。
・アルツハイマーということで、施設の人々のキャラクター性は出てきますが、アルツハイマー自体の偏見とその考え方に徐々に変化の出てくる展開は、良いかと思います。
・よくよく考えると、主人公クロードの横柄な印象もあるわけで、その点を考えると、やはり全面的に肯定できない行動でもあります。
・とはいえ、行動しないことで、後悔するよりも、行動したことを後悔したほうが、意味合いは全然違ってくるのかと思います。
・登場人物が老人の多いところではありますが、若いときに何をしてきたかということで、思いふけるような楽しみ方もできるのかと思います。
・自分自身が感情移入する作品というよりも、自分自身で過去を回顧する作品とも言えます。
・音楽が優しく、観ていて心地の良いところはありますが、アルツハイマーというテーマと登場人物の過去と現在という回顧するところがあり、むしろ、自分自身の思い返しを感じるところもあり、観る人によっては印象の変わる作品かもしれません。