【日本映画】「旅のおわり世界のはじまり 〔2019〕」★★★☆☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 葉子は、TV番組のリポーターとしてウズベキスタンに訪れる。目的は湖に生息する「幻の怪魚」を探すことだったが、撮影は思うように進まず、ストレスが溜まる中、異文化交流をきっかけに自身の考えが徐々に変わり始める。

世界各地の地域での文化や風習を見るといったところが主軸ではあるような作品

黒沢清監督は、学生時代から映画製作を行い、助監督として様々な作品に参加しています。1983年ピンク映画『神田川淫乱戦争』で長編映画監督デビューをし、1997年「CURE」で国際的に評価されます。以降、コンスタントな映画製作を行い、国内外を含め、評価の高い監督です。

前田敦子は、2005年に、AKB48のオーディションに合格し、2012年の卒業まで、不動のセンターとして人気の高いメンバーとして務めていました。卒業後は、映画や音楽活動を行い、2018年にと結婚、一児の母となりながらも、芸能活動を続けています。

物語は、ウズベキスタンで「幻の怪魚」を探しながらも、異国の地で自分探しとしての成長を描いたストーリーとなります。

日本とウズベキスタンの国交樹立25周年、及びナヴォイ劇場完成70周年記念の国際共同製作作品でもあります。

脚本は、黒沢清監督自身が手掛けています。

第72回ロカルノ国際映画祭でクロージング作品としても上映された作品です。

序盤から、ウズベキスタンの地でリポートをしている状況が描かれますが、前田敦子自身のキャラクターもあってか、やや環境に馴染めないような展開となります。

このあたりのところは、脚本があてがきしているとも思われ、前田敦子だからこそ演じられるような雰囲気があります。

ウズベキスタンという国は、カスピ海の東側、アフガニスタンの北に位置する国です。

過去にはソビエト連邦の構成国でしたが、1991年のソ連崩壊によって独立しています。

ウズベキスタン市内には警官も多くおり、治安が乱れているわけではありませんが、それでも、スリや強盗も発生しているようです。

また、大多数がイスラム教徒でもあり、信仰の強いところもあるので、イスラムを尊重した振る舞いは必要になります。

ロケチーム一行は幻の魚を撮影するために各地を訪問しますが、前半はそのくだりを描いたところが多く、B級番組のロケのようでもあり、業界あるある的な印象があります。

中盤までは、そのロケの状況が描かれていますが、おおむね、前田敦子のプロモーションビデオでもあります。

AKB48を卒業はしていますが、やはり、未だに残る不器用で臆病な印象のあるところは、やはり前田敦子のような気がします。この独特な雰囲気は彼女ならではなところがあります。

中盤で、教会のようなところに迷い込むところから、葉子の内面を描いていくようなところがありますが、そこもちょっと不完全燃焼な気もします。

その後の撮影禁止区域での撮影により、警官から追われるところは、言葉の通じない地域でのトラブルという点では、怖さはあります。

ただし、葉子の用心深い性格から考えると、多少納得しづらいところもあります。

本編のテーマは、自分探しのような印象がありますが、その部分もちょっと弱く、ウズベキスタンという異国の地のプロモーション要素が強い気もします。

クライマックスは、「愛の讃歌」を歌うところとなりますが、うーん、曲は良いのですが、もう少し歌唱力があっても良かったのかもしれません。

世界各地の地域での文化や風習を見るといったところが主軸ではあるような作品ではあります。もちろん、前田敦子ファンとしても様々な表情が観られるので、観ておくと良い作品かと思います。

予告編

旅のおわり世界のはじまり

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