【日本映画】「コーヒーが冷めないうちに〔2019〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【原作】
【出演】/伊藤健太郎/波瑠//薬師丸ひろ子/吉田羊/
【個人的評価】

【あらすじ】喫茶「フニクリフニクラ」には特別な席があり、その席に座るとタイムトラベルができるようになる。そんな喫茶店の4つの物語。

ダメではないけど、良くもない。そんな感じの作品

塚原あゆ子監督は、TBSのテレビドラマの演出家として多数の作品を作り、「グランメゾン東京」「アンナチュラル」などなどを手掛けています。2019年「コーヒーが冷めないうちに」で映画初監督をしています。

川口俊和は、劇団音速かたつむり主宰として劇団の舞台作品であり、舞台から小説へ、さらに今回の映画化という展開をしています。

有村架純は、2010年に『ハガネの女』でドラマ初出演をし、その後、連続テレビ小説 『あまちゃん』で演じる主人公の母親の若かりし頃を演じて人気となり、高感度の高い役者です。

伊藤健太郎はモデルとしてデビュー後、2014年のドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』にて健太郎名義で役者デビューをして以来、様々な役どころを演じています。

物語は、喫茶店のとある席に座ると、タイムトラベルができるのですが、いくつかの決まり事があり、特に、出されたコーヒーが冷める前に飲み干さないと元の時代には戻れないというもの。これを主軸に4つの物語から構成されたストーリーです。

「恋人」「夫婦」 「姉妹」 「親子」 の4つの話から構成されており、小説『コーヒーが冷めないうちに』『この嘘がばれないうちに』を原作として映画化しています。

「今、生きていることをもう一度考えさせられる笑い、感動ありの映画。」というテーマで作られた作品となっています。

4つの物語をまとめた展開であるので、短編を見るような感じの作品になっています。

気になるところがいくつかあり、

コーヒーをガラスのコップに入れている点で、どうもコーヒーが美味しそうに見えない点。

コーヒーを一気飲みをしているシーンが多々あるのですが、どうしても美味しそうに見えない点。

ブラックコーヒーが基本のようではあるけれど、砂糖やミルクを入れないという点についてはあまり理解できない点。

このあたりの「コーヒーが冷めないうちに」というタイトルとしては、あまりコーヒーに魅力を感じるようなみせ方がされていないところが気になります。

4つの物語自体は、「タイムトラベルをしても過去は変えられない」というルール上、「間違えた選択肢を取り戻す方法を見つける」という感じとなっており、コマンド型アドベンチャーゲームのマルチエンディングの確認をやっているような感じでもあります。

どの話も、そこそこにそこそこな感じなので、そこそこな展開にまとまったという印象です。

最後のまとめとしてのカメラ目線での説明はどうかなぁと思うわけで、なんとなく、道徳映画のような演出となっています。

ダメではないけど、良くもない。そんな感じの作品です。

俳優の斎藤工が、「登場人物がブロッコリーみたいに皆載っているデザイン性を無視したモノの下に、キャッチコピーとして「○回泣けます」と一言」のビジュアルにマンネリ感があり、「受取手の感情を断定するなんて無礼」「この作品のタイトルじゃないけれどコーヒーの前に気持ちが冷めた」と評していますが、そこまで否定しなくても良いかもしれません。

ただし、ブロッコリーという表現は、非常に的確であり、こういう訴求は個人的にもあまり好ましい印象を持ってはいません。

最終的に、有村架純/波瑠/吉田羊/石田ゆり子と見栄える女優が出演していることで、お互いの良さがそれぞれ打ち消し合っている印象もあり、これも残念なところです。

コーヒーが冷めないうちに

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