【監督】ジャン=ピエール・ジュネ/マルク・キャロ
【出演】ロン・パールマン/ジュディット・ヴィッテ/ドミニク・ピノン /ジャン=クロード・ドレフュス/ダニエル・エミルフォルク
【個人的評価】★★★★★
【あらすじ】主人公 ミエットは、港町に住む少女。彼女は街の子供スリグループのリーダーとして、誘拐された怪力男 ワンの弟 ダンレーを救出するために一つ目族と戦う。
悪夢的な童話物語のような要素のある映画
ジャン=ピエール・ジュネ監督は、友人のマルク・キャロと共同で映画製作をするようになり、1991年「デリカテッセン」で長編映画監督デビューしています。のちに、「アメリ」で世界的なヒット作を送り出し、ブラックユーモアと独特なキャラクター作りで定評のある監督です。
ロン・パールマンは、学生時代に父親から俳優の道を勧められ、1981年「人類創世」で俳優デビューしています。特徴的な体格と風貌で、ジャン=ピエール・ジュネ作品に数多く出演しています。
ジュディット・ヴィッテは、10歳の時に本作のオーディションに受かり、女優として出演しますが、考古学者か建築家になる夢があり、俳優としての活躍は2020年現在は行っていません。
本作の衣装デザインは、ジャン=ポール・ゴルチエが担当しており非常にかわいらしいデザインでもあり独特なデザインでもあり、この映画の世界観に非常にマッチしています。
音楽は、アンジェロ・バダラメンティが担当しており、デヴィッド・リンチの映画の音楽をよく担当されているので、印象としてはやはり、リンチの世界観を感じます。
物語は、独特の雰囲気のある港町で発生した事件を主軸に、奇妙な登場人物たちが誘拐事件を解明するために活躍するストーリーです。
一見、アート系な映画に見えますが、監督自身の趣向でもあり、情報量の多いコントラストの効いた映像が特徴です。
誘拐事件の究明をいうところが、本筋でもありますので、複雑なストーリーではありません。
ただし、登場人物と独特な映像を考えると複雑そうな物語として取られても仕方ないところかもしれません。
本作の魅力は、ミエットが超絶にカワイイところであり、10歳にしてすでに大人の魅力をも兼ねる美貌があることです。
カワイイと美人という要素なだけに本作の主人公にぴったりな印象になります。
他にも体型が小さな人や独特な顔の人などが登場することで、誰が誰なのかを見失うことは少ないです。
サンタクロースがやってくる悪夢については、非常に演出が良く、大人でも多少トラウマになりそうな演出がされています。怖いというよりも、奇妙という表現が適しています。
特筆すべきは、音楽とノミ。
このノミに刺されてしまうととある音楽を聴いてしまうことで洗脳されてしまうというもの。
ノミの視点での映像も面白く、映像のこだわりを感じます。
個人的に最も好きなのは、ミエットの涙から連鎖する危機の脱し方があり、ピタゴラスイッチのように様々なことが連鎖し、流した涙から相手を倒してしまう演出はこの映画の奇妙さだからこそできるところでもあります。
他にもマッドサイエンティスト的な奇妙さもあり、こう言った要素がツボな人にはオススメできる作品です。
悪夢的な童話物語のような要素のある映画でもあり、まずはミエットがカワイイと思えるなら、それをきっかけに鑑賞してみるのがよいのかもしれません。