【監督】渡辺歩
【原作】五十嵐大介
【音楽】米津玄師
【声の出演】芦田愛菜/石橋陽彩/浦上晟周/蒼井優/稲垣吾郎/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 琉花は、ハンドボール部に所属する女子中学生。夏休みで部活禁止となってしまったことで、やさぐれてしまい水族館に気分転換に行った先で、ジュゴンに育てられたという不思議な少年 海と出会う。
良し悪しというところではなく、感性に問いかけてくる作品
・渡辺歩監督は、シンエイ動画でドラえもんの原画や作画監督として活躍し、最近では、ドラえもん以外の作品も手掛けるようになり、本作は2014年「宇宙兄弟#0」以来の作品。
・五十嵐大介は、中学時代から漫画を描きはじめ、少女マンガ誌「LaLa」に投稿してましたが、後に『月刊アフタヌーン』で大賞を受賞し、1993年に漫画としてデビューしています。
・作風は、幻想的なものが多く自然や生き物の描写が優れている作風です。
・主題歌は、米津玄師「海の幽霊」となっています。
・芦田愛菜は、母親に進められ、3歳より芸能界デビューをしています。2011年「マルモのおきて」で人気となり、以降様々なメディアに登場しながらも、難関校でもある慶應義塾中等部に入学しています。
・物語は、海と空という双子の兄弟と出会い、その三人との出会いを通じて、地球上でさまざまな現象が起こりはじめるストーリー。
・この双子はジュゴンに育てられたというところでもあり、真面目に考えてもファンタジー以外の落としどころが見つかりません。
・ファンタジーな物語であるからこそ、ストーリーの整合性よりも、映像美と感覚に訴えてくる演出に注目する必要があります。
・海と空の双子についても、性格が異なるという点では、わかりやすいのですが、物語の本質から言えば、この2人にキャラクターと言動では、理解も難しくなります。
・まずはストーリーを追うのではなく、この世界観を受け入れてしまうことがこの作品を理解できる見方かと思います。
・遠近の効いた画面づくりがちょっと斬新でもあり、ボケ感を使った遠近感や、CGでできた空間を走るところなどは、手書きではできないところではありますが、印象は悪くありません。
・登場人物を含め絵柄にはかなり癖があり、多少受け入れ難い人もいるのかもしれません。
・この点についてはリアルとそうではない想像というところの境目がわかりにくいので、違和感を感じるのかもしれません。
・リアルとファンタジーの境目を描いている印象もあり、注意深く観たとしても、伝わってくるメッセージは観る人それぞれに異なった印象を与えることになります。
・この作品はそう言ったファンタジーな作品であり、深く追求することもできますが、あくまで多くの人に支持される回答もなかなか明示できないようにも思います。
・生命の営みと自然界の息吹が息づいているところでもあり、考えるよりも、感じたままのことがこの作品の解釈になるかと思います。
・非常に抽象的な表現となってしまいますが、よくよく考えるとアニメ化すら無謀だったかとも思える作品ではあります。
・良し悪しというところではなく、感性に問いかけてくる作品になります。