【日本映画】「いちごの唄〔2019〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【原作】岡田惠和/
【出演】/和久井映見//清原果耶//大西利空/蒔田彩珠//恒松祐里//岸井ゆきの/峯田和伸/
【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公 笹沢コウタは、親友の伸二とともに、クラスメートの天野千日にあこがれていた。伸二は、千日を守ろうとして交通事故にあい、死んでしまう。それから10年後の七夕にコウタは高円寺で千日と偶然再会する。毎年七夕に2人は合う約束をする。

不器用な真っ直ぐさを描いた良作

菅原伸太郎監督は、テレビドラマや映画を手掛けており、2019年「ブラック校則」が映画初監督となり、本作は、映画監督2作目となります。

岡田惠和は、フリーライターとして活躍後、1990年「ドラマチック22 香港から来た女」で脚本家としてデビューしています。以降、テレビドラマの脚本を多く手掛け人気となります。

オリジナル脚本を多く手掛け、描写や説明の巧さと、感動できる物語をしっかりと作り上げられる脚本家とです。

古舘佑太郎は、父がフリーアナウンサーの古舘伊知郎であり、バンド活動を経て、2014年「日々ロック」で俳優デビューしています。

石橋静河は、父がであり、バレエ留学中に演劇の面白さに感銘をうけ、俳優を志します。2017年『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』での演技で評価を得て、その後、様々な作品に出演しています。特技は英会話とダンス、趣味はギターであり、現在「東京ラブストーリー」の赤名リカ役でも活躍しています。

主題歌は、銀杏BOYZ「いちごの唄」となります。この曲が本作を制作する基にもなっています。

物語は、学生時代にあこがれていた人に出会い、そこから織りなすストーリー。特にラブストーリーとも言い難い不思議な作品です。

序盤は、ちょっと内気なようで、感情表現の下手な主人公のキャラクター性が描かれており内容の理解しやすさがあります。

ヒロインともなる天野千日の登場からは、この陰と陽のような関係もあり、登場したときにはまだ多くの抱えている悩みは明かされず、学校での憧れだったということが描かれます。

ややゴリ押し気味ながら、表現ベタなところは、峯田和伸のようなところもありつつも、こういう不器用なところは、個人的にはツボではあります。

使用しているiPodは、形状から第4世代となり、モノクロなので、2004年のモデルとなります。

中盤で、千日の思っていることの告白がありますが、このシーンは、かなりぐっときます。

「楽しい分ツライ」

「いつかまた終わりが来るんだし」

このときの他人の思う感情の温度差というのは、絶対にわからないし、石橋静河の屈託のなかった笑顔があったからこそグッと来るのかもしれません。

毎年、七夕にラーメン屋で2人は会いますが、このラーメン屋の店主は峯田和伸が演じています。

結局、空回り系な男子の物語ですが、この空回り感は、胸に刺さるところがあります。

とはいえ、ただの空回り系男子の物語ではとどまらず、千日にも打ち明けられない問題を抱えているところがあります。

この複雑なところを織り交ぜているところが普通の物語ではなく、一筋縄ではないところではあります。

登場人物は限られているので、複雑すぎる展開や難しい伏線はありませんが、単純に過去にかかえていた悩みを吹っ切る物語とも言えます。

ラストまでしっかりとわかりやすく描かれており、最後までは不器用な物語ではあります。

エンディングの「いちごの唄」がぐっとくるところでもあります。

不器用な真っ直ぐさを描いた良作なのかと思います。

予告編

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