【監督】ヨン・サンホ
【出演】コン・ユ/チョン・ユミ/マ・ドンソク/キム・ウィソン/チェ・ウシク/アン・ソヒ/キム・スアン/キム・チャンファン/チョン・ソギョン/イェ・スジョン
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 ソグは、別居中の妻のいる釜山に娘 スアンを送り届けるため、ソウル発プサン行の特急列車KTX101号に乗り込む。そこでウイルスに侵された女性が乗り込む。どんどんと感染者を増やしながら、特急列車内は地獄と化していく。
全体的にこのウイルスの問題が解決はされていませんが、「それはそれ」とも思えます
・ヨン・サンホ監督は、アニメーション映画を監督し、2011年「豚の王」で長編アニメ監督デビューをしています。その後、2014年「発狂する現代史」で実写映画を手掛けています。
・コン・ユはビデオジョッキーを大学時代から行っており、ドラマのオーディションを受けて、2001年「学校4」で俳優デビューをしています。
・序盤、道路上で惹かれた鹿がすでに感染してた描写が描かれ、このウイルスの状況の布石が描かれます。
・特急列車KTX101号の中が本作のほとんどを占めており、映画としての構成は、密室劇という手法をとっていますが、場所は常に移動しており、終盤でも、限定された空間というところでのストーリーなので、ダレ場も少なく観られます。
・キモとなるのは、この感染症の発症が非常に早いというところで、このあたりは映画ならではの、ケレン味かと思います。
・とはいえ、さすがにちょっと噛まれただけで感染していく現象は、COVID-19の感染力よりも強く、これは逃れられようがないとも思えます。
・また、感染者はある意味ゾンビ化するというような設定ではあり、集団で襲いかかってくるところは、1980年代のゾンビ映画を彷彿とさせます。
・本作では、昔のホラー映画でのあるある設定とも言える、山小屋とかではなく、特急列車の中という限定の仕方が良いアレンジであり、隠れる場所や封鎖する手段は、想像しやすいところでもあります。
・中盤で、発車し始めた列車に乗り込むときになぜか剣と盾のようなものがあったところにはちょっとご都合的かなぁという点もあります。
・その後の展開についても、時代を象徴するかのように、人間同士が疑い始めるというところになります。
・本作が、ただのパンデミック映画にならないところは、この疑心暗鬼な要素であり、集団での感染と危険回避のための演出にもなっています。
・同調圧力という点にも見え、本作のメッセージ性としても理解できます。
・感染者は、盲目的に人間を襲い、仲間同士では襲わないというのもあるあるゾンビ映画でもありますが、感染者の行動習性を利用するあたりでほかの作品とは異なる対抗策を出しています。
・どのキャラクターが生き残るのかといった要素がわかりにくいという点もあるので、最後まで展開を読めずに観られるところはとても良いです。
・最終的にどうなったかというところについてのオチとしては、子供がキーであるということで、なかなか小粋なところがあります。
・とはいえ全体的にこのウイルスの問題が解決はされていませんが、「それはそれ」とも思えます。
・実際に、COVID-19の蔓延されていることもあり、より身近に感じてしまう作品かと思います。
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