【監督】浅沼直也/上田慎一郎/中泉裕矢/
【出演】石川瑠華/井桁弘恵/紅甘/斉藤陽一郎/藤田健彦/?橋雄祐/桐生コウジ/川瀬陽太/渡辺真起子/佐伯日菜子/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】亀だけが友達の女子大生 亀田美羽、タレント家族の娘の兎草早織、父と復讐代行業をしている戌井小袖の3人が主人公。3つの家族が織りなす復讐劇。
シナリオに野心的なところが非常に面白いのですが、難解な要素があるので、注意して鑑賞する必要があります
・浅沼直也監督は、『えすけーぷ、風呂む』で第3回TSSショートムービーフェスティバルと東放ビデオフェスティバル評価を得て、深夜ドラマにて脚本デビューをしています。2013年には、『明日のマドレーヌ』でテレビドラマ監督デビューをしています。
・上田慎一郎監督は、中学時代からハンディカムで自主映画を撮り始め、2009年自主映画団体「STUDIOMAYS」に参加し、映画を作成し始めます。数々の作品を手掛けた後、2017年『カメラを止めるな!』で劇場用長編映画デビューをし、低予算映画ながら莫大な興行収入の記録となります。
・中泉裕矢監督は、2001より役者をしていましたが、2011年より自主映画を制作し始め、評判を得て、2015年『4/猫~ホテル菜の花』で全国公開されています。2019年『君がまた走り出すとき』で長編映画監督デビューをしています。
・石川瑠華は、大学時よりモデルとして活躍をし、2017年「SUGAR WORKS」で舞台デビューをしています。2020年『猿楽町で会いましょう』で映画デビューをし、幅広く活躍しています。
・井桁弘恵は、2013ミス・ティーン・ジャパンにて、サマンサタバサ賞を受賞をし、モデルとして活躍後、2015年「なつやすみの巨匠」で映画デビューをしています。
・紅甘は、内田春菊が母親で、2007年「カインの末裔」で子役デビューをしています。なお、名前の由来は、内田春菊の3番目の子供ということで、ギリシャ語のガンマ(γ)にちなんで名付けられています。
・物語は、亀田家、兎草家、戌井家の3つの家族が各々描かれつつ、断片的な家族が描かれながら、徐々に関係性がわかってくるストーリーです。
・序盤は、大学生活で新任の先生に恋する学生を中心とした物語が描かれ、爽やかな印象がありますが、徐々に様子がおかしいような演出が滲み出してきます。
・この時点から、すでに伏線があり、「カメラを止めるな!」での演出のように、後半になってから、意味がわかるところとなってきます。
・監督が3人いるということでなかなか制作が難しかったと思いますが、この3家族の演出を各々割り振っているということらしいです。
・また登場人物が多く、それぞれのキャラクターをしっかり理解しないと物語についていけなくなります。
・戌井家の登場から、映画の雰囲気がガラリと変わり、復習代行業という仕事をしている手前、色々と物語が複雑になってきます。
・各キャラクターが変装をしていたり、普段と裏の顔ではイメージ違うところも出てくるので、難解な部分があります。
・なおタイトルバックはちょうど中盤で挿入され、本作の予告編と同じように、描かれている内容の表裏があるようなところがあります。
・さらに、中盤からかなり物語がかなり変わってきますが、それは観てもらってから理解してもらうほうが良いかと思います。
・本作は、とりあえず登場人物が多いところもあり、また、役者自体の特徴があまり明確ではないので、戸惑うところがあります。
・低予算で制作されているという点で、アイデア勝負なところがありますが、そういう点ではおもしろいところはありますが、多少大味なところもあり、その点が惜しい気がします。
・斉藤陽一郎が出演しており、どこかで見た人だなぁと思っていましたが、「最低。
」に出演している人でした。このときの役名は、「男」だったのですが、意外と印象に残る役だったとは思います、
・「カメラを止めるな!」「スペシャルアクターズ」と同様に、シナリオの構成をかなりトリッキーに描くことで、おもしろさを描いた作品とはなってきますが、初見でしっかり理解するのが難しいところがあり、再確認するところで、何度か観たくなるようなところはありますが、さすがに本作は、構造と登場人物の数で難易度が高い気がします。
・題名の「イソップ」とは、イソップ寓話のイソップのことであり、物語を操っているということで、観ている側がそれに騙されてしまうという点と、「うさぎとかめ」「犬と肉」という作品から、ヒントを得ているところになります。
・シナリオに野心的なところが非常に面白いのですが、難解な要素があるので、注意して鑑賞する必要があります。