【日本映画】「風の電話〔2020〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/西田敏行//山本未來//別府康子/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公は、17歳のハル。8年前に東日本大震災で家族を亡くし、広島の叔母のもとで生活していましたが、祖母が突然倒れ、周囲に人が誰もいなくなってしまう不安から、大槌町に帰郷をする。

難解な要素も含まれるので、鑑賞の際には片手間で観るようなことはしないほうが良い作品

諏訪敦彦監督は、学生時代から自主映画を制作しており、『はなされるGANG』でぴあフィルムフェスティバルに入線しています。その後、1996年『2/デュオ』で長編映画監督デビューをしています。1999年『M/OTHER』で、第52回カンヌ国際映画祭の国際批評家連盟賞し、広く評価されています。

モトーラ世理奈は、父がイタリア系アメリカ人で母が日本人のハーフ。2014年に原宿でスカウトされ、雑誌「装苑」の専属モデルで活躍します。その後、2016年RADWIMPSのアルバム『人間開花』のビジュアルジャケットに抜擢され、注目をされ、圧倒的なインパクトで多くの媒体で活躍しています。

また、2019年にフィッシュマンズ「いかれたBaby」で歌手としてデビューもしています。

西島秀俊は、19歳の時にオーディションに合格し、芸能界入りをしています。1992年『はぐれ刑事純情派5』で俳優デビューをし、1994年『居酒屋ゆうれい』で映画初出演をしています。『あすなろ白書』等で人気はありましたが、事務所を移籍したために、1997年から2002年の5年間は民放のドラマには出演していません。その後、1999年『ニンゲン合格』で映画初主演をしており、第9回日本映画プロフェッショナル大賞・主演男優賞を受賞しています。その後、シリアスなものから、コミカルなものまで幅広作品で活躍しています。

本作は、岩手県大槌町に実在する「風の電話」をモチーフに映画化をしています。

第70回ベルリン国際映画祭ジェネレーション14プラス部門に出品され、スペシャル・メンション(国際審査員特別賞)を受賞しています。

物語は、震災で家族を失った少女の再生の旅を描いた人間ドラマとなっています。

序盤から、ドキュメンタリーのような演出ですが、本作にはほとんどアドリブで演技をしているため、こうなっています。

大槌町在住のガーデンデザイナーが、2011年に自宅の庭に設置した風の電話は実在する電話で、「天国に繋がる電話」として人々に広まり、現在も多くの人が訪れる場所となっています。

震災や台風、介護、差別、自殺と社会問題も取り扱いながらの内容で、重苦しさがあります。

主人公ハルを中心とした物語ではありますが、様々な要素を取り入れているため、若干物語を見失いがちになるところもあります。

ロードムービー風なところもあり、大槌町までの道のりで出会う人たちのふれあいを描きつつとなっています。

多くは芸達者な人が多く、ここにメッセージ性がありますが、全てアドリブという点では驚きです。

万人に勧めるような作品とは異なり、東日本大震災の爪痕がいまだに残っているという点と淡々と進む物語の中に、明確なメッセージがありますが、難解な要素も含まれるので、鑑賞の際には片手間で観るようなことはしないほうが良い作品です。

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