【洋画】「レザボアドッグス〔1992〕」★★★★★【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】

【個人的評価】

【あらすじ】お互いの素性がわからない6人の男が集められ宝石強盗を決行します。お互いをコードネームとして「カラー」で呼び合いうまくいくはずの計画が、警察の待ち伏せで罠にハマる。現場から逃げ切った、ミスターホワイトと重傷を負ったミスターオレンジ、そして後から合流したミスターピンク。一味は今回の計画を振り返り「この中に裏切り者がいる」と話し出す。

映画史の風向きを変えるきっかけとなった作品として必見の傑作

クエンティン・タランティーノ監督の記念すべき監督デビュー作品。

非常に低予算で作られた映画で、90万ドルという予算で制作されたため、役者の衣装は私服もあるらしい。

物語は、時間軸が前後する展開で、あまり気を抜いて観ていると把握できなくなってしまいますのでご注意。

オープニングは、の「Like A Virgin」を極端な解釈をするという本筋となんら関連のない会話ですが、このどーでもいい会話の積み重ねが、タランティーノ節。

のちにこの解釈は、マドンナ本人から間違った解釈と指摘されているそうです。

オープニングクレジットがこれまた映画を象徴するような音楽「ザ・ジョージ・ベイカー・セレクション 「Little Green Bag」」になります。これがとてつもなくカッコよく、映画全体のイメージも作り上げています。

低予算だからこそ、ほとんどのシーンがアジトで行われていますが、重傷を負ったミスターオレンジの服がシーンを進むにつれて血に染まり、血だらけになっていくこだわりが注目です。

血に染まる服をはじめ、小道具の使い方も秀逸なのが、この映画の魅力でもあります。

多少、回想シーンでアジト以外の場所の話にもなりますが、トイレでの話の緊張感は秀逸です。

心の声と、会話をしている実際の状況の対比で、「バレるんじゃないか?」という心理の二重構造にもなり、話の深みがあります。

宝石強盗をしているにもかかわらず、宝石店での実際の強盗シーンは、あまり描かれず、逃走シーンのみ描かれるところも低予算を逆手に取った演出で違和感がなく、むしろ想像力で補完できるところも素晴らしいです。

拷問シーンもありますが、このあたりは監督の任侠映画好きが高じているところでもあります。

そのほか、デビュー作にして多数のオマージュが込められており、「サブウェイパニック」「友は風の彼方に」「仁義なき戦い」と映画カルトな監督の遊び心と映画愛が込められています。

ラストの3角撃ちも緊迫感のある演出で、アクションというアクションがない映画にもかかわらず、とても計算された物語構成の盛り上げ方は圧巻です。

題名のレザボアドッグスは、英語としては成立していない言葉で、Reservoirとはフランス語が語源となっているようです。

直訳っぽく解釈すると「掃き溜めの男たち」となるのですが、本来は「カッコ良い雰囲気の荒っぽい男たち」となるそうです。

女性がほぼ出てこないところも含め、男臭さの溢れた映画ですが、映画史の風向きを変えるきっかけとなった作品として必見の傑作です。

予告編


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