【監督】三島有紀子
【原作】三上延
【出演】黒木華/野村周平/成田凌/夏帆/東出昌大
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】五浦大輔は祖母の遺品から夏目漱石の直筆と思われる署名が入った「それから」を見つける。鑑定のため、北鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」に持ち込むが、その本には祖母が隠し通していた秘密があった。
ロマンス映画として重きをおいているので、その部分を理解して見ればよいのかと思います
・シリーズ累計640万部を突破した三上延原作のベストセラーミステリー小説の映画化。
・三島有紀子監督は、ドキュメンタリー作品を企画・監督をしており、 谷崎潤一郎原作の『刺青 匂ひ月のごとく』で監督デビューをしています。
・『ぶどうのなみだ』『繕い裁つ人』等、高い評価のある作品を作り、『幼な子われらに生まれ』では、第41回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞しています。
・物語は、現代と過去の物語が交錯して、過去の出来事がきっかけで、現代の事件に通じるというところ。
・ビブリア古書堂は、JR北鎌倉駅のホーム隣の路地の向かいで営業している古本屋ですが、実際には存在しません。
・小説自体は、全7巻が刊行されており、他には、漫画が2作品とテレビドラマ2013年に制作されました。
・本作品は、2014年から企画され、2017年10月に撮影されています。
・内容は、小説の第1巻からの構成となっており、原作にある程度習った内容とはなっています。
・この作品の持ち味は、店主 栞子の「本から謎を解く」という特殊な展開が魅力の一つであり、極度の人見知りながら本の知識が豊富なところが特長です。
・原作や漫画のイメージから、栞子のキャラクターがちょっと固定されているところもあり、実写での栞子の容姿と釣り合わないところがドラマでも映画でも感じてしまいます。
・とはいえ、結局は「絵じゃん。」となるので、実写と原作は多少切り離して鑑賞するほうが良いです。
・そういった点では、小説の雰囲気と、本好きという要素から、映画自体の雰囲気にはそれほど違和感はないかと思います。
・特に過去を描写している場面では、文学的な要素があり、情景がよく伝わります。
・逆に現代のシーンはカラーがどうも弱い印象で、ミステリー映画というよりも、本をキッカケに紡がれるロマンスと解釈したほうがスッキリすると思います。
・終盤は多少駆け足気味でありますが、そもそも過去の物語を丁寧に描きたかったのではないかと思われます。
・原作のようなミステリー作品というよりも、ロマンス映画として重きをおいているので、その部分を理解して見ればよいのかと思います。
ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)
【合本版】ビブリア古書堂の事件手帖 全7巻【電子特別版】 (メディアワークス文庫)